3店舗目で訪れた危機を脱し、肩の力を抜いて作ったブランドで急成長
【Q】『骨付鳥・からあげ・ハイボール がブリチキン。』(以下、『がブリチキン。』)で全国展開されていますね。
『がブリチキン。』1号店のオープンは2011年です。弊社は2006年にFC加盟店として創業しました。最初からオリジナル業態にしなかったのは、マニュアルなどを本部が用意することで、自分は組織づくりやサービス向上に集中するためです。
私はもともと多店舗化を念頭に、飲食業でキャリアを積んできました。居酒屋の統括店長、役員などの立場で10店舗規模のマネジメントに必要な要素を学んでいったのです。まずは2年で3店舗と目標を掲げていましたが、比較的順調な滑り出しで1年3ヶ月で達成できました。(代表取締役 加藤弘康氏 以下、加藤代表)
【Q】オリジナル業態の出店も、3店舗目からですね。
鉄板焼と炉端焼をミックスしたオリジナル業態が、3店舗目でした。この時期は資金繰りが悪化するなど、かなり苦しい思いをしました。でもそのおかげで、経営において何を大切にすべきか、学ぶこともできました。苦しいときだからこそ原点に立ち返り、「幸せの花を咲かせる」という理念を大切にしたのです。来店していただいたお客様には精一杯のおもてなしを妥協せずして、メンバーへ理念を伝え続けながら共に歩んできたことで、今があります。(加藤代表)
【Q】5年で10店舗の目標は達成されましたか?
はい。10店舗目を前に、どうやらいけそうだと手ごたえも感じていました。それまでは、父親が実家を担保に保証人になってくれて、創業資金を借り入れていた事情もあり、絶対に失敗できない切迫感の中での経営でした。業績が安定していく中、かねてから描いていた多店舗展開に向けて原価管理がしやすくなるよう、食材の発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入しました。確実に利益を出すために数値の見える化が必要だったので、私が率先して進めました。そんな最中に作った業態が『がブリチキン。』です。(加藤代表)
10店舗5億円規模で必須だったシステム管理
【Q】原価のシステム管理は、なぜ必要だったのでしょうか?
売上が5億円を越えて次の10億円に到達する時に、息切れしているのではなく、さらに15億、20億円を目指せる状態にしたかったのです。
企業規模が変われば当然、さまざまな業務で手段も手順も変わります。たとえばFAXや電話で発注をし、検品の確認もなく請求されるままに支払っている状況下での事業拡大は、無謀ですよね。
経営者の目が届く範囲の規模なら、仕組みが雑でも心のつながりで凌げるかもしれません。しかし、多店舗展開で経営を拡大していくなら、属人化しがちな作業ほど仕組みを整え標準化する必要があります。『がブリチキン。』は多店舗展開するためにFC化を考えていたので、なおさらです。
当時、経理は私と妻で担当しており、締めの都合で早く請求書が欲しいと思っていても毎回遅れる仕入先があるのも悩みでした。また、単なる発注の効率化だけでなく、売上管理システムとの連携で日次決算を出し、コストコントロールすることも視野にありました。(加藤代表)
【Q】導入の効果はいかがでしたか?
効率の良さは圧倒的です。まず、商品の価格や規格がパソコンやタブレット端末から一覧で確認できる上、発注の数量や合計金額、納品日がはっきり分かる点が便利です。
さらに、納品時の検品もしやすいですね。FAXでの発注だとばらばらに書かれたメモを手がかりに検品するしかないし、電話の場合は検品のしようがありません。システムで発注すれば履歴が残るので、取引内容を確認できます。オプションの『FC管理機能』も使っています。
『がブリチキン。』のFCオーナーさんには、契約の時点で『BtoBプラットフォーム 受発注』の利用を前提としたご説明をしています。(執行役員 SCM副本部長 兼 開発部長 松原 世英氏 以下、松原氏)