【Q】FC展開を始めたのはいつからですか?
2014年からです。それまで多い時で年間9店舗ほどのペースだった出店数が、FC展開によって一気に年間20店舗を越えるようになりました。出店エリアも名古屋を飛び出し、首都圏をはじめ全国に広がっています。このスピード感はシステム管理でなければ実現できなかったでしょう。
【Q】FC展開で役立ったシステムの機能はありますか?
ずっとエクセルを使っていたレシピ管理を『メニュー管理機能』で行うようにしました。
『がブリチキン。』だけでも、年に一度のグランドメニュー改変の他、シーズンごとの新メニューや、他社とのコラボ企画の特別メニューなど商品の変更が頻繁です。システムでメニュー1品ごとの原価や原材料のアレルギーの管理ができるようになった点は良かったですね。細かい価格や商品規格の変更があっても自動的に反映され、転記ミスのリスクもありません。
また、アレルギーのお問い合わせはここ数年増えており、弊社では毎月アレルギー情報を一覧にして『がブリチキン。』のウェブサイトで公開しています。原材料のアレルギー情報は『BtoBプラットフォーム 規格書』で把握しています。クラウド上で仕入先と商品情報を共有しているので、仕入先が規格を変更した場合でも、すぐに更新に気付けるようになりました。
以前は情報が古いか新しいか分からない上に転記ミスのリスクもあり、こうした情報開示は困難でした。お客様の食の安心・安全を守るためにも、システムを利用した確実な情報管理は必須だと感じています。
食品衛生法の改正で制度化が決まっているHACCP(※)の対策も、『メニュー管理機能』を活用しながら進めているところです。(松原氏)
※食品衛生法の改正で、原則としてすべての食品等事業者が2021年6月までにHACCPに沿った衛生管理に取り組むよう求められている。
“量産と個店主義の両立”を外食のロールモデルに
【Q】今後の展望をお聞かせください。
売上10億円が見えはじめた頃、周囲から「10億円超えると景色が変わるよ」と言われ、何がどう変わるのだろうと思っていました。
実際15億を超え、20億円を超えるうちにまず変わったのは、証券会社や監査法人、また上場企業の経営者といったこれまで接することのなかった方々との出会いです。
その出会いを通じて次第にIPO(新規上場)が見えはじめました。今はガバナンスやコンプライアンスの強化を含め、マネジメント全般を見直しています。
多店舗化する業態は基本的に『がブリチキン。』に絞って、ブランドのブラッシュアップに注力するつもりです。『がブリチキン。』1000店舗構想を掲げ、国内300店舗、海外700店舗を目指しています。
その他の業態は、我々のクリエイティブを磨く部門としてさらに質を高めていきたいですね。一番チャレンジしたいビジョンは、量産型店舗とクリエイティブ型店舗の両立です。チェーン展開にマニュアル化は欠かせません。しかし、あまりにも属人的な部分を排し、型として整備しすぎると、店づくりの色気や楽しさが薄れてしまいます。
美味しいものを手間ひまかけてお客様に提供するのは、飲食業の本質です。そんなクリエイティブな面を残し続けることで、チェーン店ながら『がブリチキン。』にもどこか手づくり感や温かみが反映されます。それがブランド価値の向上にもつながるでしょう。
そのためには効率化すべきところはしっかりと取り組むメリハリが必要です。チェーン展開と個店主義という二律背反の舵取りを実現し、これからの外食企業のロールモデルになればと想い描いています。そんな想いを汲んでくれる仲間たちと共に、飲食業を通して、この業界やすべての人、すべての街に、幸せの花を咲かせたいのです。(加藤代表)
株式会社ブルームダイニングサービス
事業内容:飲食店経営/店舗プロデュース、コンサルティング、FC本部
本社所在地:愛知県名古屋市西区上小田井1-43-2
企業サイト:https://www.bloom-ds.com/