対策の第一歩は、“自分が客なら”を考えること
ここ数年の間に景表法違反の判断基準は大きく変化し、違反件数も増えている。そして違反内容は似たようなものが後を絶たない。事業者は知識不足のままうっかりミスによる不当表示をしないために、どう対策をすればよいだろうか。
「不当表示か否かの判断に当たり、“そんなつもりはなかった”や“知らなかった”は通用しません。必要な対策は、まずは周知・啓発です。正しい情報を伝えることがお客の利益を保護することになり、ひいては自社や業界全体の利益になるのだということを、従業員に周知し、理解してもらう必要があります。
次に、情報の確認と共有です。特に地鶏やブランド牛などの使用を訴求する場合には、仕入先と口頭でやりとりするだけでは確認としては不十分です。証明書を提出してもらうなど情報の確認を徹底し、さらに社内の情報共有も徹底すべきでしょう」
事業者が商品を宣伝する以上、知らなかったというわけにはいかない。何より、景表法とはなにかを理解することが大事だ。
「景表法は、お客にアピールするなら、誤解させないように本当のことを書きましょうという法律です。まずは、一般消費者がどう思うか、一般消費者の立場になって考えることが重要です。自分がお客だったら、期間限定、数量限定と記載されていたのに実際には違ったり、伊勢エビだといわれたのに実際に違うエビだったら、すごくがっかりしませんか。お客の立場で残念な気持ちになることはやらない方が良いでしょう。飲食は、本来楽しいものですから」
事業者には“景表法で定められているから”という理由だけでなく、消費者をがっかりさせないよう、商品やサービスを偽ることのない企業活動につとめてほしい。
取材協力:大江橋法律事務所 弁護士 古川昌平氏