現状の原料原産地表示制度
まずは、現在の原料原産地表示制度のおさらいです。食品全体で考えた場合、現在は下記のようになっています。
生鮮食品 | 原産地名の表示義務 |
加工食品 | 一部の食品に原料原産地名の表示義務 輸入品に原産国名の表示義務 |
外食 | 表示義務なし |
加工食品で表示対象となる「一部の食品」とは、22食品群+4品目を指します(詳細は「食品表示基準 別表第十五」)。これら対象となる加工食品の選定基準については、15年以上議論されてきましたが、現在は下記がベースになっています。
・原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質に大きく反映されると一般に認識されている品目のうち
・製品の原材料に占める主原料である農畜水産物の重量の割合が50%以上である商品
(「加工食品の原料原産地表示に関する今後の方向(平成15年)」より)
表示方法は、「原材料及び添加物に占める重量の割合が最も高い生鮮食品で、かつ、当該割合が50%以上であるものの原産地を、原材料名に対応させて」表示するなどの基準が定められています。
検討会の背景と主な議題
次に、今回の『加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会』が開催されることになった背景です。
原料原産地については、消費者ニーズの高まりから、長い間、拡大の方向で議論されてきました。2012年に開かれた『食品表示一元化検討会』(「食品表示法(食品表示基準)」の検討の場)でも取り上げられましたが、ここでは結論が出ず、別途検討する、とされていました。また、2015年11月に発表された『総合的なTPP関連政策大綱』の中でも、原料原産地表示について言及されています。