加工食品の原料原産地表示はじまる~経過措置期間は2年延長

法令対策2017.09.06

加工食品の原料原産地表示はじまる~経過措置期間は2年延長

2017.09.06

加工食品の原料原産地表示はじまる~経過措置期間は2年延長

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すべての加工食品で原材料の原産地表示を義務化する食品表示基準改正案について、7月に消費者委員会食品表示部会から内閣総理大臣へ答申書が提出されました。そして2017年9月1日、正式に制度改正が施行されることとなりました。

答申書の改正案は、3月から4月にかけて募集されたパブリックコメント(国民からの公募意見)の内容を踏まえて、一部が修正・追加されています。その中で最も大きな変更点は、事業者の負担増という観点で経過措置期間が見直され、2年延長されたことといえるでしょう。今回はパブリックコメントで変わった内容についてまとめてみたいと思います。

目次

答申書に記載された前提条件と修正・追加の概要

答申書には、改正案を導入するためには条件をつける必要があることから、「前提条件」が追加されたほか、いくつかの箇所で修正・追加がされています。

前提条件

答申書に記載された10項目の前提条件について、概要を記載します。

諮問された食品表示基準案を適当とする前提条件(概要)

1. 理解度等に関する目標値を設定し、消費者と事業者への周知活動を行うこと。

2. 周知活動には、新たな普及・啓発方法も取り入れて行うこと。

3. 相談窓口の常設など、事業者の理解不足による誤表示が発生しないよう周知すること。

4. Q&Aを拡充し、事業者が制度を誤って解釈しないよう、的確な制度解説を行うこと。
(特に例外要件の判断基準、根拠資料の保管ルール、行政に対する説明事項など)

5. 「周知状況を把握する調査」は、消費者のみならず事業者に対しても実施すること。

6. 食品表示に関する監視体制をより一層強化すること。

7. 別表第十五に追加する品目を選定する場合の基準を明確化し、公表すること。

8. 国別重量順表示と例外表示がどの程度の割合で存在するかを定期的に検証すること。

9. 経過措置期間終了後、理解度等に関する調査を実施し、その結果を公表すること。

10. 経過措置期間終了から2年後を目途とし、必要に応じて制度の見直しを実施すること。

 

この前提条件が記載された理由は、これまで各論の審議を通じてもなお、制度運用が万全とまでは確認できなかったと判断されたためです。このため制度の導入にあたり、それらの未確認事項に対して、行政に対応要求することとなりました。

食品表示基準案の修正・追加

「使用割合が極めて少ない対象原材料の原産地についての誤認を防止するための措置」について、修正がありました。

諮問された食品表示基準案のうち、修正・追加を行うべき内容(全文引用)
(1)第3条第2項表1の五イの(ロ)
一定期間使用割合が5パーセント未満である対象原材料の原産地について、当該原産地の表示の次に括弧を付して、当該一定期間使用割合が5パーセント未満である旨の表示を義務付けるが、第3条第2項表1の四の規定に基づく「その他」の表示に対しては、当該表示を義務付けない。

 

赤文字が修正・追加された箇所です。修正前の内容では、原材料の原産国が3以上ある場合に表示される「又は表示」について、「その他」が5%未満でも「その他(5%未満)」と表示することになってしまうことから、修正したことになります。以下に表示例を示します。

<表示例>

名称

ポークソーセージ(ウィンナー)

原材料名

豚肉(カナダ又はアメリカ又は国産(5%未満))、…

※豚肉の産地は、平成○年の使用実績順

「大括り表示+又は表示」の中の大括り表示(国産、輸入など)については、括った合計が5%未満である場合に表示が必要です。

<表示例>

名称

ポークソーセージ(ウィンナー)

原材料名

豚肉(カナダ又はアメリカ又はその他)、…


原産国が3以上ある場合の3つ目以降の「その他」が5%未満の場合、5%未満表示は不要です。


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