ホテルの厳格な衛生基準をクリアし、細かな注文にも応える
【Q】創業が戦前に遡るとうかがいました
弊社の創業は1932(昭和7)年です。東京都台東区に食肉業務用卸と小売の店舗を構えて以来、食肉ひとすじで現在に至ります。また、消費者向けの直営店「肉の大山」を上野で40年近く運営しています。ステーキやハンバーグといった肉料理の他、店頭では揚げたてのメンチコロッケや焼き鳥などを、上野名物としてお楽しみいただいています。
味を気に入ってくださったバイヤーからのお声がけで、2015年には常磐自動車道下り線の守谷サービスエリアに出店しました。2018年から大手百貨店の催事にも出店していますが、昔も今も、事業の主軸は業務用卸売業です。
主なお得意先様はホテル企業です。老舗の大手ホテル様をはじめ、長年おつきあいのあるお客様が少なくありません。また、レストラン、ブライダル関係の企業にもご愛顧いただいております。(代表取締役社長 渡邉恭司氏。以下、渡邉社長)
【Q】数多くのホテルから選ばれている理由は何でしょう?
ホテル様のどのようなご要望にもお応えできる仕入・販売体制は、ひとつの強みだと思っています。婚礼や宴会で大量に必要なロースやヒレといった部位も安定して供給できますし、年間60頭しか生産されない「東京ビーフ」などの、希少な黒毛和牛も扱っています。
また、ただ納めるだけでなく、カットなどの加工注文に細やかに対応しています。たとえばスライスの厚さは0.5ミリ単位で承ります。調理時の形で納品することで、バックヤードが限られているホテル様や、人手が足りず人件費も抑えたい得意先様から重宝されています。(渡邉社長)
もうひとつの理由として、社会的に意識が高まっている食の安心・安全への対応力もあげられるでしょう。
業界屈指の厳しい衛生基準をお持ちのホテル様とのお取引を通じて、我々は約20年前から、高い水準で食の安全に取り組んできました。衛生面や設備、帳票類などは、法改正で制度化が決まっているHACCP制度に準拠して管理しています。
業界全体でも、2013年に発覚したホテルやレストランでの産地偽装問題などを背景に、品質基準は年々厳格になっています。
近年は新規商品のご提案には、ほぼ、商品規格書の提出が必要です。弊社では、仕入先から商品の情報を回収して得意先へ提出するシステム『BtoBプラットフォーム 規格書』を2012年から導入し、増加する提出依頼にお応えしています。(取締役統括本部長 渡邉恵美氏。以下、渡邉本部長)
主要仕入先はすでに導入済み。卸機能の採用で転記作業がゼロに
【Q】規格書の提出依頼にはどのように対応されていますか?
以前は依頼を受けるたびに、仕入先からいただいた規格書を提出先のフォーマットに転記していました。紙ベースで、更新作業や履歴管理はできているとは言い難い状況でした。
システム導入を機に、『BtoBプラットフォーム 規格書』のフォーマットを弊社の基準フォーマットと定め、仕入先からいただいた情報を入力していきました。ただ、それだと管理は楽になるものの、紙から1件ずつ手で入力するため手間がかかり、転記ミスのリスクも残ります。また、ホテル様だけでなく、食物アレルギー対策に取り組む外食企業の増加で提出依頼は年々増え、手入力での管理には限界がありました。(購買部 規格書担当。以下、規格書担当)