そこで、2018年にシステムへの規格書の情報入力を仕入先にしてもらう『卸機能』に切り替えました。決め手になったのは、主要な仕入先のほとんどが、すでに『BtoBプラットフォーム 規格書』を使っており、取り扱う加工食品の9割近い規格書が、システムで回収可能だとわかったことです。すでに利用されている仕入先にご案内をしたので、スムーズに受け入れていただけました。(規格書担当)
【Q】『卸機能』への切り替えでどのようなメリットをお感じですか?
おかげさまで、転記作業はゼロになりました。生産性は格段に違います。今後も引き続き仕入先にご協力いただきながら、主要アイテムの登録を進め、さらにシステム活用による効率化で生まれた時間で、整理しきれていない商品の規格書も整えていきたいと思っています。(規格書担当)
基幹システムと連携。社長自ら処理していた受注作業も効率化
【Q】『BtoBプラットフォーム』を知ったきっかけは、受注の電子化だったとか
『BtoBプラットフォーム 受発注』の導入は2000年、得意先からのご要望がきっかけです。正直、使いこなせていたとはいえず、システムで受注したものも印刷し、手書きの作業表に記入する作業が長年続いていました。といいますのも、弊社は受注や販売を管理する基幹システムがなかったので、ピックアップ表や納品書などすべて手書きするしかなかったのです。この苦労が一番身に染みているのは社長自身だと思います(笑)。(渡邉本部長)
毎朝5時にシャッターを開けるところから私の業務は始まります。他に誰もいませんので、夜間の受注をすべて手書きで伝票に起こしていたんです。当日お届け分は、7時過ぎには自社便が出発しはじめるため、加工が必要なものは、6時までに現場に作業指示書を渡さねばなりません。注文が立て込む週末などは特に大変です。急な注文が入ることもあり、ほぼ一日中、伝票の処理に追われている状態でした。
基幹システムの構築を検討しなかったわけではありません。ただ、主要な得意先であるホテル業界は専用伝票を使用されることが多く、結局手書きになるため導入に至らなかったのです。
しかし、『BtoBプラットフォーム 受発注』を利用する外食企業からの注文は年々増え、現在は6年前の約3倍という状況です。頻繁なメニュー変更のたびにスライスの厚さも1.5ミリ、2.5ミリと変化します。そのすべてを商品マスタに登録するため、現在のアイテム数は1000近く、これ以上手作業では管理しきれません。また、近年ではホテル業界のシステム化も進み、手書きの伝票は減ってきました。
そこで2017年に基幹システムを導入し、『BtoBプラットフォーム 受発注』のデータ活用に本格的に取り組んだのです。(渡邉社長)
【Q】課題は、解決しましたか?
今は基幹システムと『BtoBプラットフォーム 受発注』のデータ連携で、転記作業は不要です。毎朝、社長の早朝の受注作業も含め、同じ事を何回も書くといった作業がなくなり、効率化を実感しています。
0.5ミリ単位の厚さごとにアイテムを登録するのは細かいようでも、お客様が選べるように選択肢を増やしておくほうが双方にとってスムーズです。規格の選択肢がないと、コメント欄に「何ミリにカットしてください」と指示が入ることもあり、見落とすリスクがあります。アイテム数が増えても正確に管理できるのは、システム化のメリットだと思っています。(管理部 受発注担当)
【Q】今後の展望をお聞かせください
あまり飛躍的にというより、今までと同様に地道に歩み続けていきたいと思っています。希少な黒毛和牛の普及に努めるなど、食肉業界の発展にもより尽力していくつもりです。また、ありがたいことに「肉の大山」の出店や催事のお声がけも続いています。食肉卸直営ならではの品質を大切にし、信頼とご要望に応えていきたいです。(渡邉社長)
株式会社大山
設立:1932年5月19日 事業内容:業務用食肉卸販売、直営飲食店「肉の大山」の経営等
代表者:代表取締役社長 渡邉 恭司 本社所在地:東京都台東区上野6-13-2
企業サイト:http://www.ohyama.com/