FOODCROSS 2021展示会レポート。炭火焼肉たむら、フード関連企業のニューノーマル時代の取り組み(後編)

特集記事2021.12.08

FOODCROSS 2021展示会レポート。炭火焼肉たむら、フード関連企業のニューノーマル時代の取り組み(後編)

2021.12.08

FOODCROSS 2021展示会レポート。炭火焼肉たむら、フード関連企業のニューノーマル時代の取り組み(後編)

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フード業界のビジネス機会を創出するイベント『FOODCROSS conference 2021』。トークセッションに参加したたむらけんじ氏は「今日のイベントはアイデアの祭典。僕もたくさん吸収させてもらいます!」と各ブースを訪問。

飲食店が仕入れる食材をAIで自動発注するシステム(株式会社Goals)の説明を受けた際には、「飲食店の経営で大きいのが、過剰在庫によるフードロスの問題。自動化してくれるのはありがたい」とコメント。ロボットやデータの力で経営を改善する可能性に触れ、最新のテクノロジーに驚きを見せた。

前半に引き続き、後半ではITサービスによる働き手不足対策や新たな消費者体験など、飲食業界を牽引するテクノロジーを紹介する。

目次

たむけんが体験、フード業界を盛り上げる企業の取り組み

カフェコーナーで最新のモバイルオーダーを体験した同氏は、「(コロナ禍で)飲食店はテーブルの上にできるだけ物を置かないほうがいい。このシステムはいいね!」とコメント。スムーズに動く配膳ロボットには、「めっちゃええやん!お子さんも喜びそう」と感激し、地球環境への負荷が低い食品として注目を浴びる大豆ミートのラザニアに舌鼓を打った。

コネクテッドロボティクス株式会社の開発したソフトクリームロボットの体験コーナーでは、ボタンひとつでクオリティの高いソフトクリームを提供してくれるマシンに感激。

マシンでソフトクリームを作るメリットとして「11個の量にばらつきがないため、原価率が安定する」と説明を受けると、「飲食店にとって原価は大きいからね。でもたまには『サービスで量を増やす』ボタンもあったらいいなあ」と、笑いを誘っていた。出展社のブースを順に紹介する。

調理ロボットで業界をもっと楽しく、もっと便利に

コネクテッドロボティクス株式会社

『調理をロボットで革新する』をテーマに、ボタンひとつでソフトクリームを自動で巻いてくれるソフトクリームロボットや、高品質な蕎麦打ちをこなすロボットなどを開発する。

コロナ禍で非接触のニーズが増えるなか、ソフトクリームロボットは商品の受け渡しまで行ってくれるため、衛生的だ。さらにコミカルな声と動きでお客様を楽しませ、他店との差別化も図ることができる。

飲食店の調理作業には重労働、単純作業で辛いなどのイメージもあり、人手不足が慢性化している。ロボットに調理を任せることで、人間は接客サービスに集中できる。調理ロボットの可能性は無限に広がる。

配膳ロボットで飲食店のサービスレベルを向上

株式会社Food Technologies

できあがった料理やドリンクをお客様のもとへスムーズに届ける配膳ロボット『Servi(サービィ)』の正規販売代理店。『Servi』は月額99,800円で導入することができ、実際に導入した飲食チェーンでは月額2030万円の人件費削減につながった事例もある。

導入した店舗ではスタッフがキッチンとフロアを往復する時間が大幅に減り、常にお客様の様子をチェックできるようになる。オーダーやドリンクのタイミングを見逃さず、接客レベルが向上したという。機械ができる仕事はロボットに任せ、人は人間にしかできない接客に集中することで、飲食店のサービスはもっと充実させられる。

モバイルオーダーで飲食業界にイノベーションを起こす

株式会社dinii

飲食店にとって、お客様の新規注文や追加注文、会計をいかにスムーズにこなすかは大きな課題だ。特にコロナ禍では人手不足に加え、非接触のニーズも増えており、モバイルオーダーの可能性に注目が集まっている。

こうした飲食店の声から生まれた『dinii』は、アプリのダウンロードが不要で、お客がQRコードを読み込むだけで注文を可能にするサービス。メニューの表示サイズやカテゴリの表示方法など自由にカスタムでき、お客の注文とLINEから取得できるID情報を自動連携させることで、誰が、何を食事したのかを分析する。お客の好みに合わせた適切なプロモーションができ、導入企業は300社以上に上る。dinii担当者は「テクノロジーの力で飲食ビジネスをもっと楽しく、やりがいのあるものにしたい」と語る。

1人ひとりにパーソナライズされたオーダー体験を

株式会社Showcase Gig

『日常消費をテクノロジーによって向上させること』をミッションに掲げ、飲食店向けのモバイルオーダープラットフォーム『O:der(オーダー)プラットフォーム』などを提供する。店内向けには『O:der Table』、テイクアウト向けには『O:der ToGo』と、店内・店外双方のモバイルオーダーに対応。

アプリは必要なく、スマホから簡単な操作で注文、会計までが可能になる。導入したカフェでは、これまで160席を4名のスタッフで回していたところを1名で対応できるようになったという。特にピークタイムの効果は絶大で、「注文に集中しがちなホール業務から開放され、新メニューやおすすめメニューのプレゼンテーションなどに注力できるようになる」という。モバイルオーダーは、デジタル時代の新たな定番になっていくだろう。

飲食店向けセルフ会計システムで客単価アップ

東芝テック株式会社

コロナ禍における非接触ニーズとキャッシュレス化で、一気に普及しつつあるセルフレジ。東芝テックの飲食店向けセルフ会計システム 『WILLPOS Self by FScompass』は、店舗のスタイルや状況に応じて、多彩なパターンで運用できるのが特長だ。

たとえば店員が無線オーダー端末などで注文を入力し、お客様が会計伝票のバーコードをスキャンして会計するスタイルや、お客様が直接セルフオーダー端末を操作して注文するスタイルなど、複数パターンから選択可能。レジ業務の手間をなくすことで人手不足が解消され、現場に余裕が生まれるうえに回転率も上がる。さらにセルフ会計システムの導入により、客単価もアップするという。人手不足の解消と、利益の最大化に力を発揮してくれるだろう。

データで捉えるグルメトレンド

株式会社SARAH

目まぐるしく変わる消費者の変化に対応するには、データの分析力がモノを言う。SARAHの展開する企業向けの外食ビッグデータ分析サービス『Food Data Bank』は、グルメコミュニティアプリ『SARAH』に投稿された膨大なキーワードやテキストから、食のトレンドをいち早く分析するサービスだ。

『SARAH』はその名の通り、レストラン単位ではなく一皿=メニュー単位で口コミが投稿できる。内容を分析すれば、メニューごとのトレンドが具体的に見えてくる。「当社のデータを活用いただくことで、より効率的に美味しいメニューや食品が開発しやすくなり、世の中にもっと美味しいご飯が増える。そんな循環が理想です」。料理人やマーケッターの直感だけに頼るのではなく、データがメニュー開発を支える時代がやってくる。

お客と店をつなぐグルメSNSで、常連さんをつくる

株式会社GINKAN

コロナ禍で飲食店への足が遠のくなか、ロイヤリティの高い常連客の強さを再認識した外食事業者は多いだろう。行きつけの店を応援したい人は多く、飲食店にとってはいかにリピーターを確保するかがますます重要になっている。

この目的を叶えるのが、“食いしん坊専用”グルメアプリ『シンクロライフ』だ。掲載店舗は12万件以上、口コミ投稿は30万件で、その93%がポジティブな内容という。店舗の掲載費や初期費用、月額費用は0円で、送客完了時に飲食代金の5%が成果報酬費として発生するのみ。再来店が一定期間ないお客様に自動でクーポンを送る機能もあり、会員登録やメルマガ業務は必要なくなる。まったく新しいグルメSNSで、広告宣伝費の最適化を叶える。

飲食店の予約管理を全自動化し、台帳への転記業務から解放

株式会社エビソル

ここ数年で一気に普及した、飲食店のネット予約。新しいグルメサイトやグルメSNSも増えるなか、多くの飲食店にとっては各グルメサイトの管理画面にログインして予約を確認、予約台帳に転記するという新たな業務が負担となっている。

この課題を解決するのが、予約管理システム『ebica』。複数のグルメサイトからの予約情報がリアルタイムで反映される『グルメサイトコントローラー』や、AI電話予約応対サービス『AIレセプション』で、飲食店は予約台帳の管理から開放される。店舗の集客を最大化させると同時に、スタッフが接客など『ヒトにしかできない仕事』に集中できる環境が整うことで、顧客満足度は飛躍的に上がる。「今後は蓄積されたデータを活用し、飲食店のサービスをより良くしていきたい」

マニュアルを切り口に、飲食店の効率を大幅改善

株式会社スタディスト

『伝えることを、もっと簡単に』をテーマに、誰でも簡単に伝わりやすいマニュアルを作成・共有できるサービス『Teachme Biz』を展開。多くの飲食店では人手不足で、教育が現場任せになりがちだ。紙のマニュアルでは印刷コストもかかる。

近年では外国人のアルバイトスタッフも増え、たとえば『こんがり焼く』などの細かなニュアンスを伝えるのは至難の業。Teachme Bizでは指先ひとつでマニュアルが作れるため、教育の標準化とスピーディーな情報共有が可能になる。導入した飲食チェーンからは「アルバイトがマニュアルを確認する時間が増え、教育コストが減った」との声が寄せられ、新人教育や新メニューの普及などを担当するマネージャー層にとっても大きな負担軽減になっている。


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