最低限おさえておきたい。軽減税率制度で、外食・食品企業が準備しておくべきこと

法令対策2018.10.19

最低限おさえておきたい。軽減税率制度で、外食・食品企業が準備しておくべきこと

2018.10.19

最低限おさえておきたい。軽減税率制度で、外食・食品企業が準備しておくべきこと

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2度にわたり延期されていた消費税の税率引き上げが、2019年10月1日に実施される見込みとなった。今回、過去の増税と異なるのが、増税にともない導入される「軽減税率制度」だ。標準税率は8%から10%に引き上げられるが、「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞」は軽減税率8%の対象になる。対象となる飲食料品を取り扱う外食業や小売、卸売業といった企業にとって、実施による影響は大きい。

また、帳簿や請求書等の記載は、適用される税率・税額ごとに分ける『区分経理』が義務付けられるため、新たな経理処理も発生する。軽減税率と同時に導入される「区分記載請求書方式」や、2023年から導入される「インボイス制度」だ。税率ごとに区分して税額計算を行う必要が出てくる。

軽減税率制度の実施まで残り1年。この期間に、どのような備えが必要だろうか。企業の経理実務に詳しいHongo Connect & Consulting株式会社の代表取締役社長で税理士の市川琢也氏の話をもとに解説していく。

目次

増税と軽減税率導入の背景

消費税増税と軽減税率制度導入の理由

消費税は、2015年10月に税率10%へ引き上げられる予定だったが、個人消費の低迷などを理由に2017年4月に延期。その後も、デフレ脱却が思うように進まなかったことから、さらに2019年10月へと再延期された。社会保障と税の一体改革を掲げる国の方針により、引き上げは予定どおり行われることが、先日表明されている。増税と同時に実施される軽減税率は、低所得者に配慮する観点から、食料品などの生活必需品に対する税率を軽減する制度だ。欧米諸国でも同様の税が導入されている。

軽減税率の対象

軽減税率の対象は飲食料品と新聞。外食は対象外なので注意

飲食料品と新聞に適用される軽減税率だが、一律8%に軽減されるわけではない。対象となる「飲食料品」は食品表示法に規定する食品をいい、酒税法に規定される「酒類」は軽減税率の対象ではない。また、「外食」や「ケータリング」も対象外だ。軽減税率の対象について、詳しくみていこう。

 

■軽減税率の対象となる飲食料品の範囲



Point.1 飲食をさせる「サービスの提供があるか」が税率の線引きに

「飲食をさせるサービスの提供」がある「外食」や「ケータリング」は標準税率になる。「外食」とは、制度上は「食品衛生法上の飲食店・喫茶店・その他の食事の提供を行う事業者が、飲食設備(テーブル、椅子、カウンターなど)のある場所等において行う調理や盛り付け、配膳といった食事の提供(サービス)」のことをさす。食事に必要な設備等もサービスの提供に含まれ、標準税率10%の対象となる。

ケータリングや出張料理などの、指定された場所での食事の提供もサービスの提供となるため、標準税率となる(老人ホームなどでの提供など一部を除く)。そのほか、ショッピングモールなどのフードコートや企業内の社員食堂なども、場所と食事を提供しているとみなされ、標準税率が適用される。


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