ナトリウムは、食塩相当量に
新法のもっとも大きな変更点が、栄養成分表示の義務化です。義務表示は「熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量」となります。ナトリウム表示ではなく、食塩相当量に換算されての表示が義務付けられました。
ナトリウム塩(塩化ナトリウム(食塩)、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)が加えられていないものは、「ナトリウム(食塩相当量)」というふうに併記も可能です。しかし、ナトリウム塩が加えられていないものでも、新表示では食塩相当量だけの表示が目立ち、併記されているものをほとんど見かけません。
また、飽和脂肪酸と食物繊維は推奨表示となります。飽和脂肪酸を表示する場合は、脂質の内訳表示とわかるように一字下げで表示します(事例⑦)。食物繊維も同様で、炭水化物=食物繊維+糖質の関係がわかるように表示します。旧表示では、食物繊維と糖質を表示すれば炭水化物の表示は省略できましたが、新基準では炭水化物の表示は省略できませんのでご注意ください。詰め合わせの食品の場合は、事例⑧のようにそれぞれ表示することになります。
製造所固有記号のルール変更で、製造所を表示する事業者が増加
食品表示の一括表示では、最後に表示責任者(販売者、製造者、加工者、輸入者のいずれか)の名称と所在地が表示されます。この「表示責任者」と「製造又は加工を行った者」が異なる場合は、「加工所」「製造所」「加工者」「製造者」などの名称と所在地があわせて必要です。これが表示責任者と同じ名称であれば、その部分を省略することができます。
新法では製造所固有記号の使用が限定され、これまで使えていた記号が使えなくなり、これを機に製造所などを表示しようとする事業者が増えています。消費者にとっては、実際にどこで製造しているのかが一目でわかります。
生鮮食品の移行措置期間は2016年9月30日まで
新基準への移行措置期間は、一般向け加工食品と添加物は2020年3月31日までに“製造(または加工・輸入)”されるものとなっています。業務用の加工食品と添加物は2020年3月31日までに“販売”されるものとなっており、一般向けよりも短くなっているので早めの移行が求められます。
そして、生鮮食品の移行措置期間は1年半と最も短く、2016年9月30日までです。生鮮食品は基本的に旧ルールからの変更点はほとんどありません。ただし、栄養成分表示を任意表示をしているものは新表示への移行が求められます。