QSCだけでは通用しない「QSC+α」の時代
現在の飲食業やサービス業界では、顧客に自店舗を選んでもらうために「QSC+α」が重要と言われている。
プラスアルファとは
・価値(Value)
・おもてなし(Hospitality)
・雰囲気(Atmosphere)
などが代表例だ。それぞれ詳しく見ていこう。
QSC+V(Value:価値)
「QSC+V(Value)」は、品質、サービス、清潔さに加えて「価値」を提供することを目指す考え方。価値とは、顧客のニーズを最大限提供することを意味する。例えば、飲食店では食べ物が美味しいだけでなく「くつろぎの場」「食事の提供時間が早い」「手ごろな値段で購入できる」などが挙げられる。
QSC+H(Hospitality:おもてなし)
「QSC+H(Hospitality)」は、QSCに「おもてなし」を付け加える考え方。顧客を心から歓迎し、感動を与えるサービスを提供することで、満足度を一段と高められる。
QSC+A(Atmosphere:雰囲気)
「QSC+A(Atmosphere)」は、QSCに「雰囲気」を加える考え方。店舗の空間作りや音楽、香りなどを通じて、訪れる全ての人が心地よく過ごせる空間を提供する。
社内でQSCを浸透させる方法
QSCは組織全体で共有し、行動することではじめて向上につながる。具体的に社内でQSCを浸透させる方法を2つ紹介する。
ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)を向上させる
従業員が満足して働ける環境を作ることで、自然とQSCの向上が期待できる。なぜなら、従業員のモチベーションや満足度が高まれば「もっと頑張ろう」「より良くするにはどうすればよいのか」といった自主的な姿勢になりやすいからだ。
そのためには、待遇の改善や職場環境の改良、教育・育成体制の充実が求められる。
ITツールやサービスを活用する
企業でQSC向上を支援するITツールやサービスを導入し、組織全体で管理体制を構築していくのも有効な手段の一つだ。各店舗でやり方やレベルにばらつきがあっては、経営側も把握をするのが難しく、また店舗運営の統制もとりづらい。ITツールを使用すれば、多岐にわたるタスクや店舗オペレーション業務を一元管理することができ、QSCの現状分析や改善策の立案、従業員教育などが効率的になる。
QSCの向上は「また来たい」と思われる店づくりの近道
QSCを高め、更にその上の「α」を加えることで「また来たい」と思われる店を作ることができる。顧客満足度の向上とリピート率の向上に直結するため、QSCとその上の「α」の向上に注力していこう。