第四次産業革命が起こす、食品製造現場の未来
中小の食品製造業において、工場での長時間労働や手作業による生産性の低迷は慢性的に起きている。しかし改善するためのIT化はなかなか進んでいないのが現状だ。主な要因は、設備投資の難しさや属人的な手作業による。そんな中、工場における様々な業務をITでサポートするファクトリーテックは、大型の設備投資をせずとも業務内容に応じた部分ごとの改善も可能となるサービスが出始めた。
ファクトリーテックが浸透していった背景には、「インダストリー4.0」という産業構造の変化があるという。インダストリー4.0とは、いわゆる産業革命のこと。蒸気機関の発明による第一次産業革命から始まり、第二次の電気と大量生産、第三次のコンピューターによる自動化、そして第四次は機械同士がインターネットで繋がり、膨大なデータの活用も進むなど、これまでとは比べ物にならないほどの効率化が可能となる。
インダストリー4.0の市場規模は2019年時点で6~8兆円にのぼり、今後も成長していくことが予想される。そのうち、ファクトリーテックの分野への投資も、2019年では四半期ごとに500億円~1000億円に達している。
部分導入できるからこそ、中小規模の工場に向いている
ここからはファクトリーテックによって、どのようなことが実現できるのか具体的に見ていきたい。ファクトリーテック分野への投資を行っているCoral Capital創業パートナーである澤山陽平氏が、実際に企業が提供しているファクトリーテックを例に挙げながら紹介する。