名古屋周辺のホテル・飲食店などに青果・果実を販売
【Q】名古屋を拠点に青果卸をされていますね。

当社は、戦後まもなく私の曽祖父が名古屋市で配給所を創業したことから始まりました。現在は消費者向けの商売から業務用販売に切り替えて、名古屋周辺の飲食店様に向けて野菜、果物、カット野菜などの青果卸をしています。
時代の流れで商売を変えましたが、かつて店舗を構えて対面販売していたときのよさを残しつつ、商品の配送だけでなく商品の価格や流通状況などをメールやLINEで連絡するなどして、顧客本位の営業姿勢を大切にしています。
卸は顔の見えない商売になりがちですが、お陰様で、山中青果は対応がいい、よく分かってくれると言って頂いています。
受注デジタル化による業務改革
【Q】受注の事務処理をIT化されましたね。
受注事務をしていた従業員が退社したことを機に、FAXで受けていた注文を、LINEを使った受発注システム『TANOMU』で受けることにしたのです。
『TANOMU』は東京で青果卸をしている同業者が使っているのを聞いていました。知り合いが使っているという安心感と、実際の使い勝手がいいという評価を聞いていたので当社も導入したのです。
取引先の飲食店様にFAXからスマホ発注に変更するよう依頼して回りました。むずかしいと言われるケースは少なかったです。ご年配の方や外国人が多くいる店舗様でも、問題なく発注していただいています。
飲食店様は商品写真付きの画面を見ながら発注するので商品を選びやすいし、担当者がどこにいてもスマホで発注できるので、FAXより便利になったと思います。これまで受けていたFAX注文のうち、7割が『TANOMU』での受発注になりました。
事務員ひとりぶんの業務をITでカバー
【Q】受注事務の負担は軽減されましたか?
FAX注文の処理が減ったことで、受注した商品の集計が最も楽になりました。これまではどの商品をいくつ必要か手作業で集計していたのです。集計中にほかの作業があると数え直すこともありました。これが、『TANOMU』で受注した分はボタンひとつで自動集計されます。時間もかからないしミスもありません。事務員ひとりぶんの作業を『TANOMU』でできるようになったのです。
また、受注漏れもなくなりました。FAX注文では発注締め時間を過ぎていても送信されることがあり、追加分に気付かず漏れてしまうこともありました。受発注システムを使うことで、締め時間がしっかり守られます。
さらに、販売管理システムと『TANOMU』がCSVデータで連携できるので、伝票の入力作業も入力ミスもなくなりました。これまで特に忙しいときは夜10時まで注文の集計・入力作業をしていましたが、6時ぐらいに終わるようになったのです。
FAX受注担当の事務員1名を雇用し続けるのに、毎月20万円以上、年間約240万円かかり、作業を教える時間も必要です。当社のような小さい会社だと、経費も労力も負担は相応にかかります。その分を受発注システムでできるようになり、余裕が生まれました。
受注の労力を減らし、取引先への対応に注力したい
【Q】今後の展望をお聞かせください。
これまでは事務員が退職する度に、後任の採用にどのような方でもいいから入社してほしいと焦っていました。今でも事務員を募集していますが、受発注システムが機能しているので切迫した焦りはありません。
受発注システムは画期的だと思います。導入当初の初期設定だけは大変でしたが、稼働して使っていくといいことだらけです。目指すはFAX注文ゼロ。受注の労力を減らして、お取引先様のご要望プラスアルファの対応をしていこうと思います。
山中青果有限会社
本社所在地:愛知県名古屋市中村区中村町8-54
設立:2010年4月1日
企業サイト:https://www.yamanakaseika.jp/