FAX受注の手入力作業をゼロへ。『発注書AI-OCR(invox)』で大幅な時間短縮に成功~全国農協食品株式会社

卸・メーカー2025.05.09

FAX受注の手入力作業をゼロへ。『発注書AI-OCR(invox)』で大幅な時間短縮に成功~全国農協食品株式会社

2025.05.09

FAX受注の手入力作業をゼロへ。『発注書AI-OCR(invox)』で大幅な時間短縮に成功~全国農協食品株式会社

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全国農業協同組合連合会(JA全農)のグループ会社として、農畜産物や水産物の販売・加工などを手掛ける株式会社全国農協食品。同社のなかでも、菓子類を扱うソリューション営業部は、全国の取引先から届くFAX注文書を手入力で処理する業務に大きな負担を抱えていました。

『発注書AI-OCR(invox)』の導入がこれらの課題解決に繋がり、手作業の大幅な削減に成功し業務効率が飛躍的に向上しました。導入の経緯と効果について、藤井氏、櫻井氏、熊谷氏に伺いました。

目次

JA全農の商品を全国のコンビニ・量販店に供給

【Q】事業内容について教えてください。

ソリューション営業部 業務課 課長
櫻井 博史氏

ソリューション営業部 業務課 課長 櫻井 博史 氏(以下、櫻井氏):当社は、JA全農グループの一員として、農畜産物や水産物の販売・加工、調理食品や加工食品の製造・販売、給食事業、酒類や米穀の販売など、幅広い事業を展開しています。

ソリューション営業部では、JA全農の「ニッポンエール」ブランドの商品を取り扱い、主にグミやドライフルーツなどの菓子類を、卸業者を通じて全国の量販店やコンビニエンスストアにお届けしています。

【Q】これまで受注業務はどのように行っていたのでしょうか?

ソリューション営業部 業務課 主任
熊谷 志津 氏

ソリューション営業部 業務課 主任 熊谷 志津 氏(以下、熊谷氏):取引先様からの注文の約9割はFAXによるものでした。月間の受注件数は2,000件近く、繁忙期には2,500件を超えることもあり、それを5名の課員で処理していました。

FAXを処理するためにツールの導入はしていたものの、受注業務の負担は依然として大きいままでした。発注書を受信すると、まず画面上で内容を確認し、場合によっては印刷をします。次に、発注内容をExcelへ手入力し、発注書を作成してファックスをします。さらに、発注内容は基幹システムにも手入力する。これが毎日行う発注書処理の流れでした。

すべての工程で手作業が発生し、入力ミスや抜け漏れのリスクが常に付きまとっていました。入力後も「本当に合ってる?」と不安になり、何度もチェックするため、確認作業だけで結構な時間を取られるだけでなく、「ミスしてはいけない」という精神的な負担は大きかったです。また、繁忙期ともなれば業務量が一気に増え、残業が当たり前になっていました。

ソリューション営業部 次長
藤井 朋啓 氏

櫻井氏:しかも、発注書の約9割は他社フォーマットで印字されたもののため、取引先ごとに書式はバラバラで、手書きのものも少なくありませんでした。FAX発注は業界の商習慣として根付いていて、Web発注システムを導入するにもハードルが高く、受注業務の効率化を図りたくてもなかなか有効な手段が見つからない状況が続いていたのです。

ソリューション営業部 次長 藤井 朋啓 氏(以下、藤井氏):さらに、受注データの管理はすべてExcel。データの手入力・手修正が必要なExcel自体が業務のボトルネックになっている状況もありました。“脱Excel”も、大きな課題です。

 

受注業務を“見える化”し、『発注書AI-OCR(invox)』で自動化する

【Q】業務改善はどのようなアプローチから始めましたか?

櫻井氏:デジタル化は全社的な課題でしたが、まずは試験的に「ソリューション営業部から取り組もう」と考え、具体的な検討を進めました。

藤井氏:そこで着目したのがAI識字によるOCRツールです。この数年で、FAXで届く発注書をOCR機能で読み取り、データ化する技術がAIの進歩によって大きく進化していることは把握していました。食品業界向けの展示会で複数のシステム会社に話を聞き、比較検討を重ねた結果、最終的にインフォマートの『発注書AI-OCR(invox)』を採用しました。

選定の決め手は、手書きや印字された文字の読み取り精度が最も高かったこと、そして費用対効果が高いこと。無料トライアルを試したところ、実際の発注書でも高い識字率であることが確認できたため、導入を決めました。

【Q】『発注書AI-OCR(invox)』を導入する際、事前に取り組んだことは?

ニッポンエール グミ
左:岡山県産白桃グミ
右:北海道産夕張メロングミ

櫻井氏:導入にあたって、まず行ったのは業務フローの棚卸しです。各担当者が日々、どの業務にどれだけ時間をかけているのかを洗い出し、作業の流れを可視化しました。これを事前に行うことで、「『発注書AI-OCR(invox)』を活用すれば、どこを効率化できるか」が明確になります。

熊谷氏:もうひとつは納品先コードの統一です。当社の発注業務では、自社倉庫に出荷依頼を出すものと、各メーカーに発注するものと2パターンあり、それぞれ異なる納品先コードを使っていました。コードがバラバラであることが、手入力作業が煩雑になる原因にもなっていましたので、『発注書AI-OCR(invox)』の導入を機に納品先コードを統一し、システム上でもスムーズに対応できるようにしました。

受注処理にかかる作業時間が3分の1程度削減

【Q】導入効果はいかがでしたか?

ニッポンエール グミっちょ
左:福岡県産あまおう苺グミっちょ
右:長野県産シャインマスカットグミっちょ

熊谷氏:導入後は、FAXを『発注書AI-OCR(invox)』で読み込み、システム内で確認した後、CSV形式でダウンロードしたデータをそのまま発注書に貼り付けて作成する形に変わりました。従来の手入力作業が『発注書AI-OCR(invox)』によってほぼ自動化され、大幅な効率化が実現したと感じています。

実際、作業時間は3分の1程度短縮され、残業時間も大幅に減りました。特に、コンビニなどからの発注は一度にまとまって届くことがあるのですが、以前の手入力作業では午前中に処理を終えるのが難しく、対応が遅れることもありました。これが『発注書AI-OCR(invox)』を導入したことで、大量受注にも迅速に対応でき、午前中で余裕をもって終えられるようになりました。

担当者として一番助かっているのは、「間違えてはいけない!」というプレッシャーから解放され、精神的なストレスがほとんどなくなったことです。

櫻井氏:現在、受注の9割を『発注書AI-OCR(invox)』で処理しており、手書き伝票も1割ほど残っていますが、こちらも順次OCR化を進めています。やはり、手書き文字は印字より識字精度が落ちますが、それでも7~8割の識字率を維持しており、十分に実用レベルだと感じています。

成功事例を共有し、社内のデジタル化を加速させる

【Q】今後の展望についてお聞かせください。

ニッポンエール ドライフルーツ
左:大分県産キウイフルーツ輪切りドライフルーツ
右:愛媛県産レモン輪切りドライフルーツ

熊谷氏:現在、見積書や請求書、契約書など、紙ベースで管理している部分がまだ残っており、これらのデジタル化は引き続き重要な課題ですから、今後も積極的にデジタル化を進めていきます。

また、他部署にも同様の課題があるため、当部署でのOCRの成功事例を社内で横展開し、全社的な効率化を推進していきたいと考えています。 

 

 

全国農協食品株式会社

設立:1974年(昭和49年)10月1日
代表者:代表取締役社長    金子 千久
本社所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-10 南新宿SKビル4F
事業内容:農畜産物、水産物の販売および加工、給食事業など
公式ホームページ:https://www.zfc.co.jp/

 

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