【Q】規格書の管理をシステム化して、実際に効率化されましたか?
システムに登録している商品情報はプリントアウトも容易にできるので、営業ツールとしても活用できます。弊社では、取引先の卸企業が主催する展示会にひと月に1度ほど参加しており、会場では商品の資料が必要になります。取り扱っている水産品では種類が多くサイズも変わってきますので、必要な商品を選定してカタログにまとめられる機能は助かるのです。システムには最新の規格書情報を登録しているので、改めて正誤チェックをする必要もありません。(五十嵐氏)
食の安心を考え直し、食材本来のおいしさを取り戻したい
【Q】海外から商品を輸入する際に、今後解決すべき課題はありますか?
ひとつは、現地での従業員教育があります。弊社は新規に仕入れをする際には、必ず現地工場を視察しています。そこでは施設のチェックもしますが、やはり働く従業員の方々の意識が大切です。現地スタッフを教育していくのは時間がかかりますが、しっかり取り組んでいかなければなりません。(高田氏)
あとは、日本の食の安心意識にも不安を感じます。海外からの仕入れの現場で、日本ほど細かいことをいう国はあまりありません。例えば、異物をなくすためにホウレン草を強く洗って、味も栄養素も失った状態で売られているものを見ます。
こういった食の本質とは異なる部分で「安心」を突き詰めると、そのうち海外から何も輸入できなくなるのではと思います。日本は今までバイイングパワーがあったため、海外の産地も取引に応じてくれていました。しかし、だんだんと購入量は頭打ちになってきており、取引の見直しを考える海外企業も出ています。我々は食品業界の一員として、日本の食生活の安定を第一にしていますが、日本の「食の安心」は軌道修正してもらえればと思います。やはり、おいしいものをお届けすることが喜びになりますから。(五十嵐氏)
五十嵐冷蔵株式会社
設立:1922年4月14日 代表:代表取締役 五十嵐 康之 本社所在地:東京都港区芝浦2-10-5
事業内容:水産物、農畜産物、その他食品の冷凍・冷蔵保管、加工売買および輸出入、貨物自動車運送事業 公式HP:http://www.gorei-g.co.jp