従来の販売路線とは逆を行く、少量使いというコンセプト
『日清 クッキング フラワー』の最大の特徴は、従来の紙のパッケージではなく、150gと少量のボトルに入っていることだ。
日清製粉グループは1955年に紙パックに入った1kgの家庭用小麦粉『日清 フラワー』を発売して以来、使い勝手を良くするためにパッケージにチャックをつけるなどの細かいリニューアルを繰り返してきた。しかし、「小麦粉の売れ行きは減少傾向で、何かしらの打開策を講じないといけない」という危機感が社内にはあったという。
「主婦層を中心としたグループインタビューをするなど調査の場を積極的に作り、お客様の声を集めていきました。すると、まだまだ沢山の不満があることが分かったのです」
粉が散って汚れる、量が多くて使いきれない、ふるうのが面倒など、様々な不満があがった。とくに開発者を驚かせたのは、料理レシピに「小麦粉少々」と書かれていた場合、キッチンの奥から小麦粉を取り出すのが面倒だからと、小麦粉の使用を省略する人が多くいた事だった。
「家庭で調理する機会も世帯人数も減っていく中で、将来的な小麦粉のあるべき姿は何なのか? それを考え続けてたどり着いたのが、少量使いのコンセプトです。今までの小麦粉は1㎏と大容量で、ケーキやお好み焼きなど1回に100gや200g使うことを前提にしていました。しかし、お客様がご家庭で使われる小麦粉の実態を見直すと、ムニエルや生姜焼きを作る際の10g程度というのが頻度として多かったのです。この少量使いにニーズがあると思いました」
容器だけでなく中身の改善にも着手
こうして日清フーズは商品コンセプトから見直し、少量タイプの商品開発を始めていった。