認知度調査を行ったところ、2015年6月時点では認知率は36%で購入経験率は6%だったが、2017年3月では認知率は73%、購入率は20%にまで増加した。料理をしない人をターゲットに同商品は発売されたが、蓋を開けてみると、料理を頻繁にする人の多くが愛用者になっていることが分かったという。
「実際に料理をする人ほど、小麦粉の扱いに不満を抱いた経験があり、商品の利便性にいち早く気付いていただきました。すでにリピーターも購入者全体の4割に増えています。料理はひと手間加えるだけで美味しくなりますが、まさに小麦粉をひと手間で使っていただけるようになったわけです」
“ダマになりにくい”が業務用のニーズを刺激
日清フーズは『日清 クッキング フラワー』の成功を受け、から揚げ粉、天ぷら粉、パン粉などにもボトルタイプの新商品を発売した。
「単純に容器に入れるだけではインパクトが弱いので、から揚げ粉はチャーハンなどにも使用でき、天ぷら粉は少ない油でもサクッと揚がり、パン粉は食材に直接つけることで手間いらずにしています。“容器の利便性+付加価値”というふたつ以上の魅力を作っています」
さらに今後は家庭用だけでなく、業務用のニーズにも応えたいという。
「様々な展示会に出展すると、料理人の方々から『もっと大量に使いたい』という熱い要望をいただきました。ダマになりにくいメリットを高く評価いただいたのです。そこで2017年2月、従来の150gボトルとは別に、300gのチャック付きパッケージを発売して、ボトルへの詰め替え用としても活用できるものにしました。この商品が20年後、30年後の小麦粉のスタンダードな姿となるようにしていきたいです」
小麦粉商品のように、大きな変化が少ないところにも、新しいニーズが眠っている。ピンチはチャンス。逆風の時こそ、ヒット作が生まれる予兆なのかもしれない。
日清フーズ株式会社(株式会社日清製粉グループ本社)
本社:〒101-8441東京都千代田区神田錦町1-25
電話:0120-244117(日清フーズ株式会社 お客様相談室)
事業内容:パスタ、パスタソース、プレミックス、家庭用小麦粉、調理食品、乾麺、チルド食品および冷凍食品など加工食品の製造・販売 公式HP:http://www.nisshin.com
お話:加工食品事業部第一部営業グループ主査 水田成保氏