新鮮で品質のよい魚料理をカジュアルに提供したい
【Q】「サカナキュイジーヌ RYO」は高品質の魚介類を手頃な価格で楽しめるお店ですね。
取締役 菊地 恵乃佑 氏:「サカナキュイジーヌ RYO(以下、RYO)」は、平塚漁港や小田原市場から仕入れた相模湾をメインとした全国津々浦々の魚介類を提供している海鮮居酒屋で2000年にオープンしました。当初は「漁」という漢字の店名でしたが、グローバルスタンダードを意識し、1年も経たないうちに「RYO」という表記に変更しています。
東京の有名店で使用するような品質の魚介類を、カジュアルなスタイルで提供することがRYOの強みです。当店の特徴は、1階が大衆居酒屋、2階が落ち着いた個室を備えた「RYO 木隠れ」という異なるコンセプトで運営している点です。2階は接待や特別なシーンに利用されることが多いです。
明確なマニュアルやルールがないことで、店のあるべき姿が変わってしまう。
【Q】店舗運営において、どんな課題を抱えていましたか。
当社では職人を正社員として雇用し、厨房での業務をお願いしています。一方、ホールスタッフの大半はパート・アルバイトで、業務理解度にばらつきがありました。他の飲食店さんにも共通しますが、良くも悪くも当店では個々の能力に依存しているところが大きい。教育制度や明確なマニュアルが整っておらず、新人は「習うより慣れろ」で覚えるしかなく、タスク漏れも起きていました。
【Q】タスクやマニュアルが明確でないことで、どんな影響がありましたか。
マニュアルが明確に整備されていないと、スタッフの認識に差が生じ、お店のルールが少しずつ変わってしまいます。その小さな変更が積み重なり、最終的には店舗のあるべき姿が変わってしまうのです。
かつて、シフトリーダー的なアルバイト数名を選抜し、マニュアルの統一化を試みたことがありました。そのスタッフたちは、お客様の反応も良く、客単価を1,000円上げるほどの影響力を持っていました。しかし、影響力のあるスタッフが本来のルールと異なる動きを取ってしまうと、店舗全体に悪影響を及ぼすことがあります。すべてがマイナスに働くわけでないとはいえ、多くの場合、スタッフは自分たちのやりやすさを優先し、ルールを変更してしまいます。その結果、お客様の満足度が下がっても、本人たちは気づかないことが多いのです。
このような経験から、人によってルールが変わらないように、ITツールを活用してルールを明確化することが不可欠だと痛感しました。
【Q】『V-Manage』を知ったきっかけと、導入の決め手は何でしたか?
普段利用しているインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』の画面上で『V-Manage』の紹介を見かけ、調べてみたことがきっかけです。
※『V-Manage 』は、飲食店のタスクを一覧化し、日々の業務から臨時対応まで、現場スタッフが「いつ・なにを・どのように」を可視化できるツールです。タブレットを通じて簡単に操作でき、店舗の業務マニュアルとしても活用可能な点が特徴です。
そのころ、タスク管理ツールの導入を検討していたものの、いくつかサービスをリサーチしても、実際に自分たちに合うサービスなのかわからない状態で、決め手に欠けていました。『V-Manage』は、基準の統一化や抜け漏れ防止といった点でイメージにぴったりで、さらに店舗の状態に合わせて自由にタスクやマニュアルを作成できる点や、分かりやすいUIにも魅力を感じました。
加えて、導入を試してみようと思える価格帯であったことや、インフォマートのサービスという安心感も大きな決め手となりました。
認識の齟齬を減らし、働きやすい環境を実現。人材特性の把握も可能に。
【Q】『V-Manage』導入の際、スタッフの反応はいかがでしたか?
最初はベテランスタッフから反発もありました。一方で、慣れているベテランスタッフほど、タスクが疎かになりやすく、抜け漏れが発生している状況がありました。そのため、マネージャー陣としては「新人、ベテラン関係なく、全員で活用する」という意識を徹底することが重要と感じ、現場に対してその意識を浸透させるように努めました。
実際に導入後、若いスタッフからは「分かりやすい」という声が上がりました。新人スタッフが積極的に業務を理解しようする姿勢が見られたことが、早期にシステムが浸透した理由かもしれません。
【Q】導入後の効果はいかがですか?
スタッフそれぞれがタスクのイメージを持ちながら積極的に業務に取り組めるようになりました。若い世代は先輩忙しそうだと感じると聞くことを遠慮してしまいますが、『V-Manage』を見れば自分が調べたいタイミングで調べることができ、効率よく業務を進められる環境が整いました。この環境が、彼らにとっては働きやすい状態だと思います。
タスクの実施状況や質の向上という面でも、確かな効果を感じています。スタッフの定着率向上が非常に大きな課題である中で、以前よりも一人ひとりの就労時間が短縮され、『V-Manage 』は生産性を高めるために有効なツールとなっています。働く時間内でいかに生産性を最大化するかという点でも、非常に効果的です。
また、タスク漏れや質の低下が発生した際には、該当者を特定して指導できるようになり、全体的な周知が不要になりました。指導されたスタッフも、自分の課題として捉え、改善に向けて積極的に動くことができます。『V-Manage』の導入によって、認識の齟齬が減少しただけでなく、個々の得手不得手を把握することで、より適材適所の配置ができるようになると感じています。
人でなければできないサービスに特化した人材を強みに、世界を目指す。
【Q】今後の展望を教えてください。
スタッフの評価制度に『V-Manage』を活用し、成功体験を数値化してモチベーションを高めたいと考えています。デジタルツールを導入した一番の目的は、「人でなければできないサービス」に特化した人材の育成です。DX導入によってスタッフの負荷を軽減し、お客様に直接アプローチすることへ集中させていきたいと考えています。
今後は、小田原以外での店舗展開も視野に入れ、戦略を練っています。創業者が抱いていた「小田原の魚を世界へ」という思いは、今も私たちに引き継がれています。ゆくゆくは、世界に誇れる日本の職人技術と、ホスピタリティの高い接客技術を強みにした海外展開へ向かいたい。今の店舗で抱えているさまざまな問題をクリアすれば実現可能だと感じています。『V-Manage』の導入は、そのための一歩ですね。
株式会社ドリームサークル
設立:1999年10月
本社所在地:神奈川県小田原市栄町1-14-57 ジャルダンビル5F
事業内容:レストラン経営による飲食業
公式ホームページ:https://www.d-ryo.co.jp/
テイクアウト・デリバリー:https://www.ryo-takeout.com/