10月の食品値上げ3153品目、年間累計2万品目突破
主要食品メーカー195社を対象とした価格改定動向調査によると、2026年の飲食料品値上げ品目数は2万187品目となる。2024年の1万2520品目、2025年の2万609品目に続き、2年連続で2万品目を超える推移を見せる。9月と10月の値上げ品目だけで年間全体の約4割が秋口に集中している。
月別値上げ品目数の推移(2026年判明)

参照:『「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年10月』(帝国データバンク)
年間における値上げ品目の分野別内訳と主な該当商品は以下の通りである。
| 分野名 | 品目数 | 主な該当商品 |
|---|---|---|
| 加工食品 | 6961品目 | 冷凍食品、パック米飯 |
| 調味料 | 6250品目 | マヨネーズ、醤油、たれ類 |
| 酒類・飲料 | 3309品目 | 発泡酒、清涼飲料水 |
| 菓子 | 1390品目 | スナック類 |
| パン | 1178品目 | 食パン、調理パン |
参照:『「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年10月』(帝国データバンク)
メーカーが挙げる価格改定要因は、エネルギー63.8%、包装・資材63.7%で前年から高止まりを見せる。人件費を要因とする割合は2024年の26.5%から2025年9月末に50.2%へ急増し、2026年9月末も51.1%となった。また、2026年は中東情勢が27.8%、円安が8.1%の影響を与えた。
最低賃金1177円改定の推移と飲食店における労務コスト増加
最低賃金の全国加重平均額は昨年度の1121円から1177円改定となり、10月1日から12月2日にかけて順次適用される。近年は大幅な引き上げが継続しており、今回の56円の改定幅は昭和53年度の目安制度開始以来、過去2番目の大きさにあたる。地域ごとの最高額および最低額の状況は以下の通りだ。
| 区分 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1177円 | 前年度比56円引き上げ |
| 最高額 | 1280円 | 東京都(神奈川県1279円) |
| 最低額 | 1085円 | 青森、岩手など10県 |
参照:『全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました』(厚生労働省)
最低賃金改定に関してシンクロ・フードが実施した意識調査では、飲食店の4割超が今回の改定幅について想定以上と回答した。また半数以上の事業者が今後の店舗経営に対する懸念を示している。労務コスト増加に伴う現場の影響としては以下の要因が存在する。
・人手不足下における採用確保および人材引き留めのための賃金引き上げ圧力
・仕入価格高騰と労務コスト増加の重複による中小企業の収益圧迫
・飲食店の4割超が改定幅を想定以上と捉え半数以上で深まる経営懸念
・販売価格や取引価格への人件費上昇分の転嫁難に伴う負担増大
参照:『【2026年最低賃金改定】飲食店の4割超が「上げ幅は想定以上」と回答_半数以上が経営への影響を懸念』(シンクロ・フード)
飲食業界の経営環境変化と人件費・原価再チェックの必要性
大手外食チェーンの多くは規模の経済を活用したコスト削減や価格転嫁により増収増益を達成した。一方で中小規模店舗は価格交渉力の不足や資金力の乏しさから価格転嫁が進まず業績が悪化している。4月以降における外国人労働者の在留資格証明書交付停止による人手不足や、『全東信』の破産に伴うクレジットカード決済加盟店の資金繰り悪化も影を落とした。
飲食業界では、コストの上昇分を売価へ転嫁できているかが業績の明暗を分けている。経営者は10月からのコスト高騰再燃を機に、原材料費や人件費の増大を正確に算出し、シフト配置の最適化や業務プロセスの効率化を進めることが求められる。提供価値に見合う適正な販売価格への変更が、店舗存続に向けた鍵となる。
[出典リスト]
「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年10月(帝国データバンク)
「飲食店」の倒産動向(2026年上半期)(帝国データバンク)
「飲食料品卸売」の倒産動向(2026年上半期)(帝国データバンク)
全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました(厚生労働省)
倒産集計 2026年 8月報(帝国データバンク)
【動画】倒産集計2026年8月報 ~3カ月連続で前年を上回る~(帝国データバンク)
「物価高倒産」の動向(2026年上半期)(帝国データバンク)
倒産集計 2026年上半期報(1月~6月)(帝国データバンク)
【2026年最低賃金改定】飲食店の4割超が「上げ幅は想定以上」と回答_半数以上が経営への影響を懸念(シンクロ・フード)











