Internet Explorer(IE)が2022年6月15日にサポート終了。使用システムへの懸念と解決策

業界ニュース2022.05.24

Internet Explorer(IE)が2022年6月15日にサポート終了。使用システムへの懸念と解決策

2022.05.24

Internet Explorer(IE)が2022年6月15日にサポート終了。使用システムへの懸念と解決策

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2022年6月15日にWebブラウザの「Internet Explorer(IE)」がサポート終了するとMicrosoft社から正式発表され、請求管理や受発注などの業務システムにIEを利用している企業や組織は対応を迫られている。しかしサポート終了の内容がどのようなものなのか詳細を把握しておらず、自社にどれだけの影響があるのかわからないという声も多い。そこで今回は、IEのサポート終了に関する内容や懸念事項、具体的な対策について解説する。

目次

Internet Explorer(IE)のサポート終了。2022年6月16日以降のスケジュール

2022年2月、米Microsoft社が「2022年6月15日をもって、Web用ブラウザの「Internet Explorer(IE)」のサポートを終了する」と正式発表した。サポート終了後は同社が開発・提供している後発のWebブラウザである「Microsoft Edge」に自動的にリダイレクト(※1)されるが、この対応も2029年までの暫定処置であり、ゆくゆくはIEの全ての機能の提供がストップする予定だ。

一定期間はリダイレクト先のMicrosoft Edgeでも閲覧できる予定だが、期限を超過した後は閲覧できなくなるため、遅かれ早かれ対応すべきだろう。
※リダイレクト・・・指定したウェブページから自動的に他のウェブページへ転送されること。

IEのサポート終了に関する懸念点

IEのサポート終了に伴って、IEのみで動作するように作られたコンテンツを今までのように閲覧することができなくなる。そのため、該当する企業や組織はサポート終了前までに他のブラウザへ移行したり、移行先のブラウザで問題なく動作するようにコンテンツを改修したりする対応が求められる。

また、閲覧できなくなるだけでなくブラウザのアップデート自体が行われなくなる。つまり、セキュリティの穴があったとしてもMicrosoft社側が対応しなくなり、脆弱性が増すということだ。

セキュリティの脆弱性を突かれてサイバー攻撃を受け、不正アクセス被害に遭えば、社内の機密情報や顧客の個人情報が盗み出されたり、業務を進行するために必要な情報を改ざんされたりといったリスクが高まる。サポートが終了したブラウザを利用し続けたことでサイバー攻撃の対象になれば、企業としての信頼も大きく低下する可能性が高い。

IE終了に関するユーザーの声

「Internet Explorerに関する実態調査(2021年)」(Qbook)によれば、「IEサポート終了に伴って必要な対応は何か?」とアンケートを取ったところ、回答を寄せた228名のうち115名もの人が「社内基幹システムへの対応が必要だ」と答えている。アンケート調査時点では約50%の割合で社内の基幹システムにIEを利用しているということだ。また、94名は「顧客納品システムへの対応が必要だ」と答えており、取引先とのデータ送受信に活用しているシステムがIEでないと正常に動かないシステムだという企業も多い。

さらに「具体的な影響やその範囲について」尋ねたところ、「影響は把握しきれていない」と答えた人が47%にものぼっており、IEのサポート終了に伴って具体的にどのような対応を行えばよいのか明らかになっていない企業も多いことがわかる。

上記の結果から、このままIEのサポート終了を迎えれば、多くの企業でセキュリティリスクが高い状態のまま業務を行うことになるだろう。

システムをオンプレミス型からクラウド化することのメリット

前述のように、IEのサポート終了に合わせて、これまでIE依存の業務システムを利用していた企業や組織はシステムを他のブラウザでも利用できるように移行・改修する必要がある。システムの移行や改修を行うのであれば、自社でサーバーを運用する「オンプレミス型」の運用を止め、クラウド化するのも有効な選択肢のひとつだ。

自社でサーバーを持たず、事業者側が提供するサーバーを利用する「クラウド型」を利用すれば、今回のIEサポート終了のような課題が発生したとき(※2)にもサーバーの切替を心配せずに利用し続けられる。自社でサーバーを運用していると切替費用やメンテナンス費用も適宜発生するが、クラウド化すれば事業者側の負担で最新の状態にアップデートされるため、コスト面での懸念も少ない。

 オンプレミス型クラウド型
サーバー切替費用必要(※2)不要
サーバーメンテナンス必要不要
法令改正時アップデート時に追加コストが必要になる場合あり追加コスト不要

※2・・・自社サーバーを運用する「オンプレミス型」の場合、切替費用ややメンテナンス費用も発生する。

このように、サポート終了に合わせて素早い運用を開始でき、中長期的な運営リスクを解消しやすいのがクラウド化のメリットだ。他にも、法改正時の対応のための追加コストが不要なのもポイントといえる。

大手企業も多数導入のBtoBプラットフォームならクラウド型で安心

前述のように、システムのクラウド化には多くのメリットがある。昨今では生産性の向上に注目する企業も多く、世の中の流れもクラウド化に傾きつつある。

例えば、請求書・経理管理システムなら「BtoBプラットフォーム請求書」、仕入れ管理システムなら「BtoBプラットフォーム受発注」が要件を満たしている。自社の業務を見直してクラウド化できる部分を洗い出し、サポートが終了するリスクを低減できるシステムへの移行を進めてみてはいかがだろう。

[参考記事]
情報処理推進機構「Microsoft 社 Internet Explorer のサポート終了について
Qbook「Internet Explorer」ついに歴史に幕。サポート終了に伴う影響と企業が行うべき対処とは?


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