マクドナルドの過去最高業績を支えるピープルビジネス戦略~日色保社長

セミナー・イベントレポート2024.05.08

マクドナルドの過去最高業績を支えるピープルビジネス戦略~日色保社長

2024.05.08

マクドナルドの過去最高業績を支えるピープルビジネス戦略~日色保社長

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2024年3月に開催された「第41回フランチャイズ・ショー 2024」のセミナーで、日本マクドナルドホールディングス日色保社長が登壇し、同社のフランチャイズ経営が強い理由について講演した。

マクドナルドの2023年実績は過去最高を更新し、既存店売上高も33四半期連続増を記録した。日色社長はこの要因をピープルビジネス戦略の成果と説明する。

目次

過去最高実績を支えるパーパス、ミッション、バリュー

当社の2023年業績は、全店売上高が7777億円と過去最高を更新しました。既存店売上高も前期比で7.0%のプラスとなり、33四半期連続増を記録しております。

日本マクドナルドホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 日色 保 氏
日本マクドナルドホールディングス株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
日色 保 氏

1971年に銀座でマクドナルド1号店がオープンしてから、現在は2982店舗に広がっています。延べにすれば、年間14億人のお客様がご来店されることになります。私の立場で言うのもおかしいですが、驚くべき展開を遂げてきたと実感します。

マクドナルドの経営戦略とはいかなるものか。私たちのパーパスは「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」というものです。これが私たちの存在意義だと認識しています。

そのパーパスを実現するためのミッションとして、「おいしさとFeel-Goodなモーメントを、いつでもどこでもすべての人に」と定義しています。気軽に利用できる店、ちょっとした美味しいものを食べて笑顔になれる店、ホスピタリティの高いサービスでうれしい気持ちになれる店。マクドナルドは、そういったブランドでありたいですし、そういうサービスを提供したいと考えています。

企業ブランドの価値観を実現するためのバリューには、ファミリーという項目があります。マクドナルド、フランチャイジー、サプライヤーをファミリーと捉えており、力を合わせて成長することを謳っています。これらは同時にコミュニティにも繋がってきます。マクドナルドの店舗は約7割をフランチャイズの皆さまにお任せしています。従業員の方々は、その店の近隣から来られています。地域なくしてマクドナルドは存在し得ないのです。

成長戦略における3つの柱

こうしたパーパス、ミッション、バリューを基盤として、具体的な成長に向けて2022年からの中期経営計画で3本の柱に取り組んでおります。

まずは「メニュー・バリュー」です。お馴染みのメニューで、より幅広いお客様とご利用シーンをあわせて展開していくことで、信頼と愛着のさらなる醸成を追求していきます。

そして「店舗・デジタル・ピープル」です。快適で使いやすい店舗。お客様に、より利便性の高い利用法を提供するためのDXの推進、人材ももちろん大事です。

こうしてお客様の期待の一歩先を行く体験を作り出すことで、もう1つの柱であるマクドナルドブランドの維持・進化を目指します。われわれは、よく「ライクからラブへ」という言い方をします。どちらも「好き」という意味ですが、ニュアンスが違います。「マックでいい」ではなく、「マックがいい」と思っていただけるようなブランドにしたいと考えています。

マクドナルドの成長戦略

マクドナルドの特徴として、店内でご利用いただくだけでなく、テイクアウト、ドライブスルー、デリバリーと幅広い用途が挙げられます。さらにアプリという手段も加わっています。

かつてはクーポン、デリバリー、モバイルオーダ-、アンケート用と、それぞれにアプリがありましたが、いまは1つのアプリに統合し、累計で約5500万人の方にダウンロードしていただいております。実際のアクティブユーザーは、月間約2500万人を数えます。

日々の接客数も膨大な数であり、だからこそ力を入れているのが、3つの柱のうちの「店舗・デジタル・ピープル」におけるデジタルとピープルの融合です。

多くのお客様がいて、DXが進むと全自動化という選択肢も見えてきます。しかし、マクドナルドは体験を楽しんでいただくレストランという位置付けですから、お客様とのタッチポイントがなにより重要です。そのために各店舗におもてなしに関する責任者がおり、より良い接客のための指導をしています。

人材育成こそ成長の礎

マクドナルドの創始者は、「マクドナルドはハンバーガービジネスではない、ピープルビジネスだ」と話しています。人を育成することで、ビジネスそのものを成長させていくという考え方です。

マクドナルドではアルバイトスタッフのことをクルーと呼んでいます。社員だけでなくクルーも成長していける仕組みを整えています。その象徴としてハンバーガー大学があります。ハンバーガーの作り方を教えているような名前ですが、実際はリーダーシップのあり方、チームの作り方などを教えています。

従業員の階層ごとにいくつもの研修があり、中途入社の私の場合は、半年におよぶ研修カリキュラムが組まれていました。研修は店長になったら終了ではありません。その後はコンサルティングという形で続きます。様々な研修を提供することで、働くスタッフに自らの成長を実感してもらい、ブランドに、お店に、ビジネスに、積極的にエンゲージメントしてもらうことを目的としているのです。

スタッフの多様性にも大きな特徴があります。6割が高校生や大学生ですが、その他に主婦、フリーター、外国人、シニアなど様々です。中には親子、孫と祖母、シニアのご夫婦が同じ店に勤務していることもあります。こうしたスタッフの状況を具体的に知ることで、ダイバーシティとはこのことだと痛感しました。これは間違いなくマクドナルドの強みであると感じています。

SDGsとESGの観点から

マクドナルドのパーパス「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」には、4つの領域があります。1つ目は当然のことながら「安全でおいしい食事」を提供すること。そのために品質・衛生管理の徹底と透明性を図っています。

2つ目が、「人材の登用と育成」の推進です。人材を有効活用するためにサステナブルな制度があります。地域限定の社員制度を作ったり、店長であってもリモートで働けたり、サポート店長という制度でお子さんの急な病気や産休育休などに対応して、すぐに他店からサポートにいける店長予備軍を配置しています。

3つ目が「地域の仲間にサポートを」です。「ドナルド・マクドナルドハウス」という施設でチャリティの支援をしています。病気のお子さんを持ったご家族が滞在できる施設を全国12ヶ所運営している財団です。

他にも、東京マラソンに協力したり、「青いマックの日(マックハッピーデー)」を設けて一品ご購入につき50円を寄付していただくキャンペーンを実施したり、地域のスポーツ支援として学童野球の大会を主催したり、警察署や消防署と一緒に防犯や交通安全の啓蒙活動なども行っています。

4つ目は、「地球環境のために」と銘打った活動で、例えば2025年までに新規のプラスチックのカトラリーを廃止して紙への移行を図るといった目標を立てています。また、すべてのお店におもちゃ回収ボックスを設置し、ハッピーセットのおもちゃを回収するリサイクル活動をしています。

こうした活動を通して、人材を育て、お客様との結びつきの深化を追求しています。それがひいてはマクドナルドというブランドを維持・発展させていくことに繋がります。できることは何でも取り組んでいこうと考えています。

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