創業105年目の決断。社名変更に込められた事業転換
当社が運営する株式会社ひとまいるは、1921年に創業し、今年で105年目を迎える酒類販売企業です。2025年3月期の連結売上高は1,345億円に達し、従業員数はアルバイトを含めて約6,000名に上ります。現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、首都圏を中心に250以上の拠点を展開しています。
2025年7月、当社は「株式会社カクヤスグループ」から「株式会社ひとまいる」へと社名を変更いたしました。この変革の背景には、国内における酒類市場の構造的な変化があります。日本の人口は2008年をピークに減少に転じており、ライフスタイルの多様化や健康志向の高まりにより、一人当たりの酒類消費数量も右肩下がりの状況が続いています。
当社は、従来の酒類販売というビジネスモデルだけでは持続的な成長が困難であると予測しました。そこで当社が最大の武器として再定義したのが、東京23区などを網羅するラストワンマイルの物流網です。新社名「ひとまいる」には、当社の従業員である“人”が丁寧にお伺いしてお届けするという想いと、物流の最終拠点を示すワンマイルという二つの意味を込めています。これは、単なる酒販店から、社会インフラを支える物流プラットフォーム企業への脱皮を宣言するものでした。
飲食経営を支える「カクヤス流」物流サービスの差別化
当社の物流網は、都内の250拠点以上を結ぶ毛細血管のような配達網です。このネットワークを活用した独自の物流サービスは、飲食店経営者の皆様にとって極めて利便性が高いと考えています。
当社が掲げる物流の差別化には、三つの柱があります。一つ目は、365日年中無休で届ける時間的な制約の排除。二つ目は、東京23区内であればどこへでも配送するエリアの網羅性。そして三つ目が、ビール1本からでも送料無料で届けるロット制限の撤廃です。
これらのサービスはすべて自社の配送スタッフによって運用されており、クイックデリバリーと高品質な現場対応を両立させています。売上の約9割を配達による売上が占めているというデータは、当社の物流がいかに不可欠なインフラとなっているかを裏付けていると自負しています。
酒類以外の荷物を運ぶ「有償配送事業」の本格始動
事業再編の核となるのが、当社の物流網を外部企業に開放する有償配送事業です。当社は、首都圏のクイックデリバリーに使用する全車両で、他人物を運ぶために必要な認可を取得いたしました。これにより、お酒以外の商材や他社の荷物を運ぶことが可能となっています。特に成果を上げている3つの事例をご紹介します。









