加賀屋は地震の影響でグループ全7棟が休業を余儀なくされている。中川社長が協力を提案し、プロジェクトが始まった。

6月1日からは、全国の木曽路店舗で加賀屋の総料理長が監修したお持ち帰り弁当「初夏の旬彩膳」を販売する。弁当には能登牛のコロッケや金時草のお浸しなど北陸の食材や食文化が取り入れられている。また、店舗のエントランスでは栗きんつばやあかもく(海藻)ドレッシングなど特産品4品を販売し、ハード面の未整備に直面する能登の生産者の思いを木曽路のネットワークを通じて全国に届ける。

また、施設縮小に伴い加賀屋の倉庫に保管されたままだった約9,000枚の食器が木曽路へ譲渡され、全国の店舗での料理提供に使用される。地震から2年5ヶ月が経過して震災の記憶が風化することを懸念する加賀屋の思いを受け、木曽路のスタッフが来店客へ器の説明を行うことで、能登が復興へ歩んでいるメッセージを継続的に発信する。
プロジェクトは、加賀屋のメイン旅館が解体されてから次の開業に至るまでの数年間、木曽路の店舗を通じて加賀屋の名前を維持する中長期的な計画で進められる。すでに両社間では料理長や接客長の人材交流が始まっており、技術や課題の共有が行われている。
今後は月1回の両社長を含めたミーティングを通じて、店内メニューへの能登食材の導入、共同賞味会の開催、能登の食関連事業者との新たな取引の検討を進める。加賀屋の渡辺社長は、木曽路から外食産業のノウハウを吸収して将来の周辺事業強化に役立てるとともに、学んだ内容を地元の宿泊施設や飲食店とも共有し、地域全体の復活に還元する方針を示している。










