飲食店における原価率の計算方法と安定化・利益率改善策

飲食・宿泊2021.03.10更新:2026.06.01

飲食店における原価率の計算方法と安定化・利益率改善策

2021.03.10更新:2026.06.01

飲食店における原価率の計算方法と安定化・利益率改善策

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飲食店を経営する上で原価はコスト全体に占める割合が高く、原価率の改善は利益率に直結する。原材料の高騰が続く今、メニューごと・食材ごとの原価・原価率を管理するのは極めて重要だ。その計算方法や安定化・コントロールの手法、注意点を解説する。

目次

原価・原価率とは?

原価とは、メニューを作る際に掛かる原材料費のこと。例えばカレーの場合、ジャガイモや玉ねぎなどの野菜、肉、油、香辛料などの調味料が必要になり、それらに掛かった価格のことである。

そして原価率とは、販売額に対する原材料費の割合を示したものだ。原価や原価率を計算することで、店舗の利益が出ているか把握できる。

原価率の計算方法

原価率は、メニューに使用する材料費に対して販売価格を割ることで導き出せる。

原価率(%)=原価(原材料費)

販売価格
× 100

例えば、原価が200円、価格が800円のメニューであれば、原価率は200 ÷ 800 × 100 = 25%となる。

歩留まりを原価率に反映する

食肉などの場合は1kgまるまる材料として使えるわけではなく、利用できない骨や筋は廃棄するので少なからず食材ロスが発生する。例えば、1kgの肉でも100g廃棄していれば実際に使用できるのは900g、歩留まり率は90%となる。

こうした仕入れた材料のうち実際に使える部分のことを「歩留まり」といい、900gで原価を計算することでより正確な数値を導き出せる。

工程仕入れ 調理・加工 メニュー提供

 イメージ

数量

 1000 g900 g100 g × 9

原価

1000 円1000 円111 円 × 9

飲食店では食材の可食部と廃棄が異なるほか、調理ミスや仕入れミスなどが発生しやすい。そのため、他の業種より歩留まりが低くなり、原価率が想定よりも悪くなりがちだ。歩留まり率は以下の計算式で算出できる。

歩留まり率(%)=可食部の重量 

原材料の総重量
× 100

飲食店が原価率を計算する際は、食材ごとに異なる歩留まり率を考慮して算出した、歩留まり原価(原価÷歩留まり率)を用いる必要がある。

飲食店では、複数の原材料から構成される。1kgの肉を仕入れても、メニューによっては100gや200gに分けて使う。

そこで大まかな原価率を計算する際には、1カ月の店舗の原価や売上額を計算式にすると求めやすい。計算式にすると以下になる。

原価率(%)=店舗の売上原価

店舗の売上高
× 100

例えば1カ月の売上が1,000万円、原価額が300万円なら、300万 ÷ 1,000万 × 100 = 30%となり、原価率は30%となる。

業態ごとの原価率の目安

一般的に飲食店の原価率の平均は30%といわれているが、業態によって大きく異なる。もちろん、メニューの売上構成比、目玉商品などの販売戦略によって原材料の使用量は異なるほか、店舗の維持費やスタッフの人件費などの様々な費用が掛かったりするため、原価を含めた費用と売上のバランスが重要となる。自店舗の業態に合った原価率の目安を把握して、利益を上げるための計画を立てることが重要だ。

居酒屋大衆食堂レストランそば・うどん店喫茶店
35.9%44.4%39.6%36.9%36.9%
主な業態の原価率の目安(帝国データバンク2022年4月)

原価率を抑える工夫

原価率を最も直接的に下げる方法は、販売価格を上げる、安価な原材料に切り替える、ポーションの量を減らすなどが挙げられる。ただし、顧客は価格や品質の変化に敏感に反応するので、客離れになっては意味がない。それ以外の方法を見ていこう。

歩留まりを上げる

材料として利用できる部分が増えれば、当然原価が変わらずメニュー提供数が増やせる。調理スタッフのオペレーションを改善し、調理ミスによるロスを解消しよう。

オーバーポーションを防ぐ

長く店舗運営していると、気付かぬうちにオーバーポーションとなっている例が少なくない。これを防ぐには、まずは厳密なレシピ作成が必要だ。次にスタッフを教育し、誰が作っても同じ使用量でお客様に提供できるよう徹底しよう。

スタッフの歩留まりやオーバーポーションを改善するには、本部主導によるマニュアル・レシピ作成と更新、店舗スタッフへの共有が必要になる。

仕入れ管理・在庫管理を徹底する

発注ミスによる仕入れ数量の間違い、過剰な仕込み、不適切な保管、在庫過多による消費期限切れが続けば、いつまで経っても利益の改善は見込めない。適正な仕入れ量と在庫管理を守るよう、本部が店舗を指導しよう。それには、日頃の発注数量のチェックと、定期的な棚卸しが必要だ。

インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』は発注履歴が残るので、発注の重複や漏れを容易に確認できるほか、全店舗の仕入れ状況を本部がリアルタイムに確認できる。仕入品、仕入先ごとの金額を自動集計できるほか、棚卸機能で最終仕入原価法による期末の金額を自動計算できるので、原価計算も容易だ。

仕入れ先と価格交渉する、仕入品・仕入れ先を見直す

現在の仕入れ品や仕入れ先を見直すことで、価格を抑えられる可能性がある。仕入れ先が1社しかない場合は、他の仕入れ先を探すことも必要だ。複数の卸売業者から見積もりをとり、より低価格で提供してくれる仕入れ先を選定しよう。

ただし、品質の悪い材料に変更すると、お客は敏感に反応し客離れを引き起こしかねない。創意工夫を凝らして、店舗の利益率と顧客満足度の両立を目指しましょう。

メニューの価格を見直す

原価率を下げるには、販売価格の適正化が重要だ。価格を決める際は、以下に注意したい。
・競合店の価格を考慮する
・メニュー単品でなく、注文数全体で利益を維持する構成にする

飲食店における原価率の目安は30%を基準とするのが定説だが、すべてのメニューの原価率を一律30%にすると、お客は予算感がつかめなくなり、客足が遠のく原因になる。

来店動機となるような看板メニューは原価率が高くなっても価格を維持する一方で、ドリンクやサイドメニューの価格を上げてカバーするなど、自店舗の客層やメニュー、競合店、仕入れ金額を見ながら、バランスのとれたメニュー構成に見直そう。例えば、ファーストフード店の目玉商品となりやすいハンバーガーは、原価率40~70%ほどで提供し、ソフトドリンクやポテトの原価率を10%以下にしている。

また、急な値上げは、ネガティブなイメージをもたれやすい。付加価値を伝えるとお客に納得してもらいやすくなる。たとえば同じ「コロッケ」でも「北海道羊蹄山麓の男爵いもコロッケ」など産地や品質をアピールしたほうが、付加価値が高まり納得感が得られやすい。

原価率の改善はレシピの原価計算表の作成から

原価率を改善するには、本来あるべき原価と実際の原価がどれだけ違うか知ることで、どの食材がロスになっているか探る必要がある。まずは食材の仕入れ値をもとに、メニューごとの原価計算表を作成してみよう。

メニューごとのレシピを元に原価の計算表を作成する
原価率の計算表を作成するには、メニューにどんな食材が使われており、どの程度の金額になるかを知ることから始めよう。1品ごとにレシピ表を作成し、それぞれの材料費が一目で分かるようにすることで、原価や原価率を計算しやすくなる。

しかし、近年は毎月のように何らかの食材の仕入れ価格が高騰している。エクセルなどでは原材料費の更新が追いつかず放置しがちになるので、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』とデータ連動してレシピ管理や原価を自動計算できる『メニューPlus』を活用するのがおすすめだ。店舗ごと、メニューごとの原価を1クリックで自動計算できる。

原価率の改善に取り組んで、安定経営につなげよう

飲食店を経営していくうえで、原価率を抑えることは重要な課題だ。食材ロスや過剰な発注・在庫、オーバーポーションを防ぐには、何よりも現状の把握が第一歩となる。自店舗は何に取り組めばよいのか、知るところから始めてみよう。

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