仕入れ一本化と伴走支援が導く経営の安定
株式会社エムズフード
北海道や東北地方を拠点に医療・福祉施設、学校等の運営を展開する株式会社エムズフードは、設立から17年目を迎えた。同社が現在直面している課題は、顧客ニーズの多様化とコストの高騰、そして人手不足の3点に集約される。まず食材費の抑制に対しては、関連会社である株式会社北日本食糧からの仕入れに一本化する戦略を採用した。これにより物流コストの削減を実現し、市場動向に左右されにくい価格維持を推進している。
人手不足への対策としては、2024年から外国人技能実習生の受け入れを継続しており、業務内容のみならず生活面のフォローアップを組織的に実施することで定着率の向上を図っている。2025年度には主体性への変革やビジネスマインドアップを目的とした実務研修を重ねており、人材の質的向上を経営の柱に据えた。社員自らが知識を吸収し現場で活かすことが、個人の成長と会社利益の双方につながる循環を目指している。
衛生管理の基盤には5S活動を据えており、整理、整頓、清掃、清潔、習慣の徹底を全従業員に求めている。この基本動作が機能しなければHACCPも有効に働かないという考えのもと、入社時から意識づけを行っている。また、受託先での業務継続が困難になった不測の事態に備え、公益社団法人日本メディカル給食協会の代行保証制度を活用することで、食事の安定供給を担保している。
効率化を時間の創出へ転換し現場を支える
株式会社レクトン
創業63年を数え、関東圏を中心に約200カ所の施設を運営する株式会社レクトンは、人手不足の解消と顧客満足度の向上を両立させる戦略を打ち出している。同社は効率化を単なる手抜きや品質低下と捉えず、利用者と向き合うための時間を創出する手段であると定義した。日替わり献立から4季3回転のサイクルメニューへ変更することで、調理手順の習熟度を高め、味の安定化と作業の合理化を実現している。
現場の脆弱性を克服する施策として、本社所属のフリー社員制度を拡充させた。特定の事業所に固定されない専門スタッフが各エリアを巡回し、急な欠員時の即日カバーや新人スタッフへの技術・衛生指導を面で支えることで、人がいないからサービスが低下するという事態を防いでいる。これにより現場責任者の孤立を防ぎ、離職防止にも成果を上げている。
さらに、朝食業務へのクックチル導入や、洗浄業務におけるスキマバイトの活用を組み合わせることで、調理スタッフが本来の価値である味付けや盛り付けに専念できる環境を整えている。教育ツールについてもデジタル化を断行し、ショート動画を活用することで新人の不安を解消し、属人化していた業務を標準化した。誰が担当しても変わらない安心の基準を全事業所で提供できる仕組みを構築している。










