和牛日本一!鹿児島黒牛と鹿児島県産農産物の魅力を首都圏の一流シェフとバイヤーが発信!

PRセミナー・イベントレポート2023.02.09

和牛日本一!鹿児島黒牛と鹿児島県産農産物の魅力を首都圏の一流シェフとバイヤーが発信!

2023.02.09

和牛日本一!鹿児島黒牛と鹿児島県産農産物の魅力を首都圏の一流シェフとバイヤーが発信!

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2022年10月、鹿児島県で和牛の品評会「第12回全国和牛能力共進会」が開かれ、「種牛の部」で鹿児島県代表が最高賞の内閣総理大臣賞に輝いた。和牛日本一を弾みに、県外、特に首都圏で鹿児島黒牛と鹿児島県産農産物の魅力発信と販路拡大を目指し、県は「鹿児島黒牛日本一レストランフェア」を展開している。期間は3月5日まで。

鹿児島県の2021年農業産出額は全国2位の4,997億円で、文字通り農業は鹿児島県の基幹産業であり、日本の食料供給基地といえる。特に畜産は豚や肉用牛を中心に飼養頭数は全国上位を誇り、農業産出額の67%を占めている。今回のフェアは首都圏の一流シェフ、バイヤーによる産地訪問と新メニュー開発で構成。現地に足を運び、生産地で一つ一つの産品を吟味した目利きたちによって、どんな新しい農畜産物の魅力が生まれたかを報告する。

目次

銀座でキックオフイベントを開催。かごしまブランド産品を使った新メニューお披露目

フェアのキックオフイベントが2月12日、東京都中央区の鹿児島華蓮銀座店で開催された。メディアの関係者等が参加し、かごしまブランド産品である鹿児島黒牛と鹿児島県産農産物を使った新メニューのお披露目・試食会を行い、約20人が“かごしまの絶品”を堪能した。

イベント冒頭で須藤明裕副知事は「食の宝庫・鹿児島の県産品を使ったメニューを、首都圏の皆さんに堪能していただきたい。日本の食の供給基地の役割をしっかり果たし、今後も県産品の品質向上と生産拡大に取り組み、鹿児島黒牛などのPR活動を強化していく」とあいさつ。JA鹿児島県経済連の出原照彦代表理事理事長は「鹿児島黒牛のほか、日本一のソラマメ、スナップえんどうなど、鹿児島にはまだまだたくさんの農畜産物がある。こうした食材を使ってシェフの皆様にイマジネーションを高めていただけると、うれしい。今後も県と連携を取りながら、安心安全なものをつくり、努力を積み重ね、かごしまブランドの強化を考えてまいりたい」と述べた。

銀座華蓮で披露された新メニューは「黒牛ステーキ」「安納芋の天ぷら」「黒牛せいろ蒸し」など。フェア参加10店舗の鹿児島黒牛や鹿児島県産農産物を使ったオリジナルメニューも映像で紹介された。参加者は「鹿児島と言えば黒豚が有名だが、鹿児島黒牛がこんなにおいしいとは知らなかった」「霜降りの甘みが上品で、野菜と絡めると最高」などと話していた。

鹿児島県産食材のこだわりをシェフ・バイヤーが生産者に聞き込み

手塩にかけて育てた“和牛日本一”の誇り

フェアに参加する飲食店のシェフ、バイヤー関係者らは1月下旬、2回に分けて延べ計13人が鹿児島黒牛などの産地を訪問し、生産者に特性や現場での苦労、創意工夫などを聞いた。

2022年秋に鹿児島県で開かれた「全国和牛能力共進会」において鹿児島県からは、県内各地から予選を勝ち抜いた24頭を出品。全9部門のうち6部門で1位の農林水産大臣賞を受賞し、「種牛の部」の「第4区(繁殖雌牛群)」で内閣総理大臣賞に輝いた。「肉牛の部」では、前回大会に引き続き、最優秀枝肉賞も受賞した。県は「生産者をはじめとする関係者が一丸となって『チーム鹿児島』で勝ち取った成果」と喜ぶ。

主力の和牛(黒毛和種)の2022年産飼養頭数は、32万1000頭で全国1位だ。

遺伝子解析などの手法を活用した優良種雄牛の造成や飼養管理技術の開発が進められており、体形、毛並み、肉質と3拍子そろった鹿児島黒牛の品質を高めてきた。課題は担い手の高齢化だ。飼養戸数は2017年の8370戸から2021年には7030戸まで減少。県やJAは規模拡大と経営継続を図るため、ヘルパーやコントラクターなどの支援組織利用やICT技術を活用した飼養管理作業などの省力化推進に取り組んでいる。

第12回全国和牛能力共進会に鹿児島県代表として出品し、同一種雄牛の産子で種牛能力と産肉能力を競う「第6区 総合評価群」で農林水産大臣賞を受賞した南さつま市の農業生産法人「有限会社江籠畜産」を1月17日に訪問した。日本一長い砂丘として知られる吹上浜から約300メートル。約2ヘクタールの牛舎では、潮風が寄せてくる中、牛たちがのんびりと飼料を食べていた。「風通しがいいので肥育環境としては最適。また、海からミネラルの恵みも受けているんです」と代表取締役の江籠範厚さんは話す。

江籠さんは育てやすさの観点から、与論島や喜界島など奄美で生まれた牛にこだわり、育ててきた。一番気を遣うのが健康管理という。「ここよりさらに暖かいところから連れてくるので、来たばかりの子牛は風邪を引くことも多いです。こまめに獣医さんに診てもらっています」 島から来た時には約250㎏前後だが、21カ月後には約800㎏以上に育って出荷を迎える。父の代には家族経営で肥育頭数は200頭だったが、後を継いで15年の間に規模を少しずつ拡大し、現在は雌牛、去勢牛を合わせて、約800頭を飼育している。年間出荷頭数は約400頭。

飼料は主にくみあい配合飼料と粗飼料にオーストラリア産のウイートストローを使っているが、昨年来の円安、原油価格の高騰などでコスト上昇は避けられないのが現実だ。江籠さんは「輸送コストも上がっています。飼料調達も含め、世界情勢を注視しながら考えていかないと」と語る。肉質や味を維持するため、各農家は飼料の配合は工夫を重ねているが、江籠さんは米粉を最大で13%配合している。以前はトウモロコシを使っていたが、価格高騰のため、代替できるものをと試行錯誤して、徐々に量を増やしてきた。その結果、肉質が「味わい深くさっぱり仕上がってきた」と話す。

今回の共進会では、江籠さんの出品した肉牛は「突出した堂々とした枝ぶり(肉量及び肉質)と,脂肪交雑(サシ)の細やかさ」が高く評価された。飼料や育て方は各農家によってこだわりがあり「一口に鹿児島黒牛といっても、生産者により味は異なる。消費者それぞれの好みに合った肉を選んでいただけるのが、鹿児島黒牛の最大の魅力だと思います」と語った。

「子供たちに食べてほしい」の思いで品種改良――生食でも甘い豆類

鹿児島県は県産品の強みをしっかり生かせる農畜産物を「かごしまブランド産品」として指定し、生産振興や銘柄産地の育成、農業者の確保・育成とその環境整備などに取り組んできた。全国№1を誇るのは鹿児島黒牛ばかりではない。温暖な気候と火山灰土壌を生かし、野菜や果物の生産でもトップクラス。特に植物性蛋白質に優れた豆類の生産が盛んだ。

そらまめの2021年収穫量は3,300トンで全国1位。大粒で甘みが強く、味が濃い。主産地は指宿・出水地区。鹿児島県農協野菜部会協議会といぶすき農協野菜部会協議会会長を務める指宿市の西山茂さんのそらまめ畑は収穫最盛期を迎えていた。

「実が上を向いているから『そらまめ』と言うんです。実が育ってくると頭が垂れてくるのは稲穂と一緒ですね」。先に実がつく茎の下部のものは頭を垂れているが、上部にあるそらまめは空を仰いで実をつけていた。

指宿地区では開聞岳の火山灰が土壌なので、水はけがよく、甘みが出るのだという。また、植えはじめから根付くまで、土壌が乾燥しすぎたり、逆に湿りすぎたりしないよう注意が必要だが、近くにはカルデラ湖の池田湖があり、畑毎に水を引けるのもメリットだ。

収穫は12月初めから、最盛期の3月を経て、4月初旬まで続く。「寒気が来ると糖度が出るので、一番おいしいのは1月、2月ですね」

近くでは西山さんの弟、西山昭二さんが実えんどうとスナップえんどうの生産に力を入れている。実えんどうは苦味と青臭さから苦手だという子供が多かったことから「子供たちが喜んで食べられるものを作ろう」と県が育成した新品種の栽培に取り組み始めた。「ものになるまで8年かかりました」と振り返る西山さん。こうして生産された「まめこぞう」は甘みがあって大粒。皮が薄いので舌に苦味が残らない。「このまま生で食べてみてください」と奨められて、かじってみたら、甘くて本当に臭みも全く感じられない。シェフ達からは「すごくジューシー」と驚きの声が上がった。「調理の時はあまり火を入れない方がいいです。グリーンピースご飯などでは炊きあがったご飯に細かく刻んで入れても十分美味しいですよ」

一方、スナップえんどうは北海道から九州まで全国で栽培されているが、ハウスものがほとんど。実えんどうと同様、指宿では露地栽培が中心で11月から3月いっぱいまで出荷される。ハウス栽培のスナップえんどうは見た目がよく色も鮮やかなので好まれるが、食味の点では露地に大きく軍配が上がるという。特に冬季の低温で、より一層味が乗ってくるが、一方、霜が降りる時は、身に斑点が付き、消費者に敬遠されることが多い。この斑点は火に通すとほとんど消えるため「見た目にとらわれず、使ってみてください」と自信を見せた。

うまさが違う 赤土バレイショ

春を呼ぶ野菜、バレイショは鹿児島では全国に先駆けて出荷され、高い評価を得ている。2021年の県全体の収穫量は9万1000トンで北海道に次ぎ全国2位。カルシウムとミネラルを多く含んだ赤土で育っており、皮ごと食べられる。主産地の長島町でニシユタカ栽培に約20年取り組んでいる大平洋光さんに紺碧の東シナ海を見下ろす高台のバレイショ畑を案内してもらった。

町ではミカンやハウスの花栽培が盛んだったが「より収益の出る作物を」と、1970年代後半から育てやすいバレイショに着目し、県、町、JAで研究を重ねてきた。大平さんら町職員らが徳之島などで研修を終えて、地元農家の説得に回ったが「あんたたちが作ってみせろ」と言うので、率先して栽培を始めたという。今では退職した町職員のほとんどがバレイショづくりに励んでいる。特にミカン畑などだった高台は日当たりがよく、発芽や成長には最適だ。最も力を入れているのは安心安全にこだわった商品づくり。粘土質の赤土に牛糞を使ったたい肥を丁寧に入れて、畑を整えている。収穫したばかりのバレイショは、肌がなめらかで白く美しい。食味も粘りがあって煮崩れしにくい。煮しめやサラダに最適だ。

「以前、入院した時に病院食で味噌汁にじゃがいもが入っていたが、全く味がしない。看護師さんに『私のじゃがいもを持ってきましょうか』って話したくらいですよ」と笑った。

まるごと美味しいかごしまのキンカン「春姫」

鹿児島の温暖な気候は柑橘栽培にも適している。太陽と海風、夏冬の寒暖差が果実をより美味しく育てる風土となっている。

代表選手のキンカンは2019年生産量が937トンで宮崎県に次いで全国2位。皮ごと丸ごと食べられ、果肉の酸が少ないのが特徴だ。

JA南さつま管内の内門章一さんのキンカン農園では、ハウスに直径3~4センチほどもある鮮やかな大粒の「きんかん春姫Ⓡ」が鈴なりだった。「私が幼い頃は皮だけ食べて、中は捨ててたものです。種の周りは酸味が残るから」と振り返る内門さん。「今は全部食べられるくらい甘くなってます。甘露煮もいいけど、このまま食べてみて」。早速木からもいだ実を口にしたシェフたちが「甘い!」「香りがいい」「パスタや魚介に相性がよさそう」との声を上げた。

キンカン栽培は内門さんの父の代から60年続いており、「きんかん春姫Ⓡ」の栽培を始めて30年になる。収穫は2月いっぱいまで。ハウスの温度は昼間は10.5℃から25℃、夜間は1.5℃を限度に管理し、肥料は自分で配合。甘みを出すため木に水分ストレスをかけていく――神経を使う作業が多いという。

手塩にかけたキンカン。出荷は、11月下旬から3月中旬ごろまで続く。露地もの、ハウスもの両方あるが、中でも「きんかん春姫Ⓡ」の出荷は1月上旬から3月中旬。「栽培環境がコントロールでき、糖度も高くなるハウス栽培の方がキンカンには向いていると思います」と内門さん。

出水が誇るブランド柑橘「かごしまの大将希」

不知火の枝変わりとして発見された「大将季」は2006年に品種登録された。従来の不知火より果皮と果肉の紅の色が濃く、独特の香りがあり、糖度と酸味のバランスに優れているのが特徴。また、むき方は頭から指を入れると、小さな子供でも簡単に手でむくことができ、手軽なフルーツとして好評だ。薄皮(じょうのう膜)が薄いので、みかんのようにそのまま食べることができるのもうれしい。

1月18日と23日に出水市の黒石良子(ながこ)さんの農園を訪問した。ハウスでは、高さ170センチほどの木が約90本。ほとんど収穫を終えており、残った4本の木には大粒の実がぶら下がり、収穫を待っていた。大きいもので直径10センチ、重さ900グラムに成長するという。実の重みで枝が折れないよう、丁寧に紐で吊るしていた。「収穫してみませんか」と黒石さんに薦められて、枝にハサミを入れると、ずしりとした手ごたえを感じた。収穫後、通常は2週間置いて皮が柔らかくなった頃に出荷するが、果実のポテンシャルによっては、冷暗所で最大半年は保存しておけるという。

出荷はハウスものが12月、露地ものは追熟させて3月ごろから市場に出回り始める。貯蔵したものは5月初旬から市場に出る。栽培の作型により食べごろの時期は変わってくるため、長期間で楽しめる。

後継者の武史さんは一人で頑張る母の姿に「大変そうだ」と就農を決意、埼玉県からUターンしてきた。最も気を遣うのが水と温度管理。水やりは土の乾き具合を見ながら、温度は屋根の開け閉めで調節する。「手探り状態ですが、気ぜわしい都会に比べて静かにゆっくり取り組める働き方が、自分には合っています」と笑顔を見せた。

徹底した貯蔵管理で熟成し出荷「かごしまの紅甘夏」

紅甘夏は品種が発見された出水地区で栽培されている。露地栽培が中心で、濃い紅色の果皮とジューシーでさわやかな果肉が特徴だ。

1月18日と23日に訪問した阿久根市の西田学さんの農園では1000平方メートルに約50本栽培しているが、訪れた時期にはほぼ収穫を終えており、残りはわずか。収穫したばかりの果肉を口にすると、甘みとさわやかな酸味が口いっぱいに広がった。通常、紅甘夏は貯蔵管理で熟成させてから出荷する。3月ごろまで倉庫に保管し、5月から低温庫に入れた後、果実の出荷が始まる。徹底した貯蔵管理で熟成させ、さらにおいしくなってから市場に出すためだ。

「育てやすいお利口さんですね」という。「それほど手間がかからず、両親と私で育てていますが繁忙期にアルバイトに収穫を手伝ってもらうくらいです」。西田さんの農園は代々温州ミカン農家で、バレイショや実えんどうなども育てていた。大学時代は農学部で果樹栽培を中心に学び、家業を継ぐ決心をした。

鹿児島黒牛日本一レストランフェア事務局(株式会社エヌケービー内)

電話:050-1753-4703
メール:kagoshimakuroushi2023@nkb.co.jp
公式HP:https://kagoshimakuroushi2023.com/

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