PLって何?飲食店経営者が知るべき損益計算書の基礎
PL(損益計算書)とは、一定期間の経営状態を「収益」・「費用」・「利益」の3つの面から把握できる決算書類のことだ。「Profit and Loss Statement」の頭文字をとって「PL」と呼ばれている。
決算時に収益から費用を差し引いた利益を知るために必要であり、飲食店で言えば、大きく以下の3つを把握することができる。
- 費用を何に使って(食材費、人件費など)
- どれだけ売上が上がり(飲食代金など)
- どれくらい利益があったのか
PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の違い
企業の財務状況を把握するための書類として、「PL(損益計算書)」と合わせてよく目にするのが「BS(貸借対照表)」だ。
BSは別名「バランスシート」とも呼ばれ、会社の「資産」と「負債」のバランスをまとめた書類である。PLとは異なる役割を持ち、「資産」「負債」「純資産」の3つの要素から構成されている。
つまり、簡潔に両者の違いを分けると以下のようになる。
PL(損益計算書) | 一定期間における損益の細かな内訳を把握できる |
---|---|
BS(賃借対照表) | 特定の時点(決算時点)の財務状況を把握できる |
飲食店経営者がPL(損益計算書)を知るべき3つの理由
PL(損益計算書)は、一定期間の経営状態が分かる決算書類だが、飲食店経営においても知っておきたい理由は次の3つ。
- 自店舗の実績が一目瞭然になる
- 自店舗の強みと弱みがわかる
- 取引先に自店舗の信用を証明できる
順番に解説していく。
自店舗の実績が一目瞭然になる
1つ目に「自店舗の実績(経営状況)を数字で把握できる」という点が挙げられる。
PL(損益計算書)には、料理や飲み物の売上や材料費、人件費、家賃、水道光熱費などが項目ごとに記載されるため「何にどれだけの費用がかかったのか」が一目瞭然だ。同時に、どのくらいの利益(もしくは損失)が出ているのかも分かる。
それぞれの項目を分析することで改善すべき点が明確になることから、PLは今後の経営戦略を立てるにあたって欠かせない重要書類のひとつに位置づけられている。
自店舗の強みと弱みがわかる
2つ目の理由は、「自店舗の強みと弱みが分かる」ためだ。PLは記載する項目が決まっているため、自社と競合他社を同じ基準で比較でき、より違いが分かりやすくなる。
比較することで初めて、他社より優れている点、反対に劣っている点などが数値として明確になるため、そこから何かしらの経営のヒントを見つけられるだろう。
取引先に自店舗の信用を証明できる
3つ目は、「取引先に自店舗の信用を証明できる」ため。PL(損益計算書)を見れば、利益や損失の詳細が分かる。その内容によって財務面で健全なことを提示できれば、金融機関や取引先からの信頼度が高まるだろう。
信用を得るための重要な手段のひとつとなり、金融機関からの資金調達や取引先との新規取引につなげられるのである。