飲食店の店長教育に必要な研修方法と教えるべき内容とは?

飲食・宿泊2024.01.12

飲食店の店長教育に必要な研修方法と教えるべき内容とは?

2024.01.12

飲食店の店長教育に必要な研修方法と教えるべき内容とは?

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飲食店において、従業員を成長させる取り組みは欠かせないもの。中でも店長職は、店舗運営や人材などの管理を担う重要なポジションとなり、店長の裁量次第では店舗の売上や店内の雰囲気、従業員のモチベーションなどが変わってくる。

しかし複数の店舗を経営する経営者の中には、すべての店舗で教育を実施する時間が取れない、どのように教育すべきか手探りだと悩んでいる方もいるだろう。飲食店の店長教育で教えるべき内容や研修等の仕組み化について解説する。

目次

飲食業界に店長教育が必要な理由

飲食店の店長は、来店客の対応はもちろん、従業員やアルバイト・パートなどの勤怠管理、食材や備品などの仕入れ管理、現金管理、衛生管理、日報などの報告、予算達成に向けた進捗管理など店舗運営全般に関わる。系列店同士であっても店舗毎に売上やリピート率が変わってくるのは、出店エリアやお店のコンセプト、利用顧客層だけではない。店舗運営マネジメント方法によって客単価、リピート率が大きく変わり、売上や利益率に影響する。

とはいえ、店長クラスの人材を育成するには、時間と労力がかかる。店舗管理に関する多くの業務から、責任者としての心構えや従業員への指導方法、会社の経営方針に基づいた判断能力を備えることなど、教えるべきことは多岐にわたる。

しかし店長教育を始めとして優秀な人材の育成ができれば、店舗の売上や利益アップ、新規出店時の人材確保などが行いやすくなり、メリットもある。長い目で見れば店長教育はコストではなく、企業が成長するための投資であると言える。

店長教育で教えるべき内容

店長教育で押さえておくべき具体的な内容を大きく3つに分けて解説していく。

経営理念や将来のビジョン共有

店長教育において、経営理念や将来のビジョンを伝えることはとても重要だ。店を任せる責任者として店長が会社の方針を理解した上で業務に当たり、従業員にもその考えを浸透させることが不可欠だからだ。

経営理念だけだと曖昧にしか伝わらないケースもある。そのため、理念を実現するための行動指針や将来のあるべき姿などのビジョンを明確にすることで、より具体的な方向性を示すことも大切だ。

従業員への教育指導

多店舗展開する飲食店では、店長だけでなく副店長や新入社員、パート・アルバイトといった従業員も必要になる。そのため、スタッフへの教育や指導は、店長に欠かせないスキルの1つだ。

また、店長によるスタッフへの指示出しや注意する際の伝え方も重要となる。例えばミスを叱る場合には、相手の立場や状況確認をしっかり行わなければならない。やむを得ない事情があるにも関わらず怒ってしまうと、理不尽に感じたスタッフとの人間関係に亀裂が入りかねない。

中長期的に考える際には、店長が不在の時でも社員やアルバイトでも営業が回るような体制づくりやスタッフの育成も視野に入れておきたい。

従業員に適したコミュニケーションを心がける

スタッフによっては、厳しくされることで気が引き締まる人がいる反面、モチベーション低下につながってしまう人もいる。

適切なコミュニケーションが実施できることで店内の雰囲気を良くすることができ、スタッフの定着率にも繋がってくる。店舗運営を円滑にするためには、指導方法を柔軟に変えられる対応力が店長に求められる。

店舗の管理業務

飲食店の店長は、店舗の責任者として様々な管理業務が発生する。主にヒト、モノ、カネの3つに分けられるが、どれも重要な項目であり疎かにしてはならないものだ。

【ヒト】

まず「ヒト」の管理として、パートやアルバイトなどの従業員の勤怠管理などが必要だ。スタッフの能力に応じて、厨房やホールといった配置を決め、的確な指示を出すこと。また人手不足であれば、積極的に従業員の募集や効率的なシフト管理などでうまく業務を回すような工夫も求められる。

【モノ】

「モノ」の管理では、厨房やホールの設備、メニューの原材料となる食材が該当する。各種機器が正常に動作しているか確認するためにも、定期的なメンテナンスは欠かせない。食材に関しては、1日の来客数に対応できる在庫があるか、鮮度や賞味期限のチェックなどが必要不可欠だ。

【カネ】

「カネ」の管理では、店舗の売上から人件費や光熱費、消耗品費や広告費といった出費などもコントロールしなければならない。1カ月のランニングコストを予測して売上や利益の目標を設定したり、食材ロスなどの出費を削減したりするなどの細かい管理業務も大切になる。

飲食店の店長教育を仕組み化する

店長教育を成功させるには、教えるべき内容に一貫性がないと安定した成果は見込めない。そのためにも、まずは店長教育を仕組み化する必要があるだろう。ここでは、具体的にどんな取り組みを実施するべきなのか紹介する。

育成マニュアルや研修制度を整える

やる気が高く成長したいと思っていても、日々の忙しい業務の中ではなかなか研修や勉強に当てる時間が取れない店長も多いだろう。そこで社内にマニュアルや研修制度を整備することで、気軽に取り組める選択肢を用意しておくことが大切だ。

研修制度にはいくつかの形式があるため、自社に合った方法を選ぶ必要がある。以下のようなものだ。

【OJT教育】

OJT教育(On the Job Training)は、従業員が実際に業務をこなしながら指導を受ける形の研修となる。より実践的な知識をインプットできるだけでなく、同時にアウトプットしながら学べるので学習内容が身につきやすい。

教える側に立つのは、基本的に社内の先輩や上司となる。即戦力となる人材育成に向いているものの、指導する従業員の業務が滞ったり、教える人によって教育内容に差が出てしまったりという懸念もある。とはいえ、学ぶ側の知りたい内容を重点的に鍛えたり、社内コミュニケーションの活性化につながったりなどの利点も多い。

【Off-JT教育】

Off-JT教育(Off the Job Training)とは、外部のプロに講義を依頼するなどで職場以外の場所で学ぶ方法となる。主に座学で知識を取り入れるもので、一度に何人もの従業員に受けさせやすい。

これから店長職を目指す従業員が基本的な知識を学んだり、すでに店長として働く人が改めて学習し直したりなどの目的で実施できる。

【eラーニング】

eラーニングは、オンラインで講義動画やテストの受講ができる形態である。パソコンだけでなく、ネット環境さえあればスマホやタブレットから受けられるため、場所を選ばす気軽に学習できるのがメリットだ。

店長業務に共通する基礎的な知識から資格などの特定の科目を選んで受講することで、日々の業務で忙しい従業員でも能動的に学びやすい。

定期的な面談や振り返りの実施

店長によって個々の能力や性格、仕事へのモチベーションは異なるものだ。仕事への向き合い方やどんな悩みを抱えているのかを把握するためにも、定期的な面談を実施することでより良い方向へ導くことができる。

店長が業務上で何かの問題に直面していれば、店舗の現状をヒアリングし直接的な改善案や助言を行うこともその1つと言えるだろう。

そして次回の面談時に、新規顧客やリピーターの増加、売上にどれほど効果があったのかを検証する。もちろん解決策を提示するだけでなく、店舗の状況から課題や目標を与えて成長を促すことも重要だ。

達成した際には報酬を用意するなど、成功体験や仕事へのやりがいを感じられる仕組みがあるとモチベーションも向上しやすい。重要なのは、店長自身が成長したいと思うような意識改善につなげることだ。

ITを活用した効率化で職場環境の改善

教育や研修を受ける環境を整えられても、店長が日々の業務に追われている状況ではマネジメント業務に重きを置くのが難しい。そこでDXなどによる店舗運営に集中できる職場環境の整備も重要になってくる。

例えば、店舗運営管理ツール『V-Manage』を活用すれば、いつ、何の業務を行うのかが一覧で分かる。また業務マニュアルも添付ができるので、新人スタッフでも次に行うことが明確で自発的に業務を行える。

結果的に業務の効率化、スタッフの育成にもつながり、付きっ切りで教える必要がなくなるので店長自身もスキルアップなど本来注力すべき業務の時間を作りやすくなる。

飲食店の店長教育と店舗運営は仕組み化して見直そう

店長育成をするためには、教育制度を仕組化したり、学べる環境を整えたりする他、店長自体がマネジメントに重きを置ける状況をつくることが必要になる。そのためにも、業務が集中しないような店舗運営の体制を作ることも重要だ。

本部と店舗、働くスタッフとの連携がカギになる。

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