食品卸売業が販路拡大・売上アップするには?成果を出すポイントを解説

卸・メーカー2025.02.12

食品卸売業が販路拡大・売上アップするには?成果を出すポイントを解説

2025.02.12

食品卸売業が販路拡大・売上アップするには?成果を出すポイントを解説

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飲食店食材の食品卸売業は、多くの企業がひしめく競争の激しい市場です。最近では、卸売業者を通さずに、産地から直接食材を仕入れるレストランや料理店も増えてきました。

そうした厳しい環境の中で、どうやって自社の飲食店食材を売り込めばいいのかわからないという声が多く挙がっています。そこで今回は、新しい得意先を見つける方法や、新規や既存の飲食店に商品を売り込む際のポイントを解説します。

目次

飲食店食材の卸売業が直面している課題

飲食店食材の卸売業は、生産者と飲食店をつなぐパイプ役です。飲食店の命ともいえる食材を外食店の代わりに仕入れる重要な役割を担ってきましたが、最近ではECの拡大や生産者と小売業者の直接取引が増えていることにより、その存在意義が危ぶまれるようになってきました。

卸売業の市場規模が縮小傾向にある中で、これまでと同じようなビジネスのやり方を続けていては、立ち行かなくなることが予測されます。限られた市場の中で自社の売上を確保するためには、卸売業の新しい営業のあり方を考えることが重要です。

飲食店が仕入れ先を選ぶポイント

選ばれる卸売業者になるためには、まず飲食店のニーズを知っておく必要があります。飲食店が仕入れ先を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。

仕入れ価格

飲食店が最も気になるのは、やはり価格です。多くの飲食店は、同等のクオリティであればブランドやパッケージにこだわらず、安価なほうを選ぶ傾向にあります。複数社と付き合いをして相見積もりをとるところも多く、価格競争の激化につながっています。

商材の品質

商材の品質は、飲食店の料理の味や衛生面にも大きく影響する重要なポイントです。「安かろう悪かろう」では魅力がありません。取引先の信頼と満足を得られるような品質を担保した商品を提供する必要があります。

供給の安定性

飲食店にとって食材の在庫切れは、顧客満足度や売上に悪影響を及ぼすリスクです。もし品切れにより人気メニューが提供できないと、貴重な販売の機会を失うだけでなく、顧客満足度が低下して、リピート来店の機会を逃すことにもつながります。食品卸売業には、安定的に商品を供給する役割を果たすことが期待されています。

食品卸売業が販路を拡大する方法 

食品卸売業が販路を拡大する方法としては、以下のようなものが挙げられます。

飛び込み営業をする

飛び込み営業が時代遅れといわれながらも、いまだに多くの企業が実践している手法です。取引先に配達などに行くついでに近隣の飲食店を1軒ずつ回ると、自社の商品やサービスを必要としていることもあるでしょう。直接会って会話をするため、電話やメールよりも人間的なつながりが生まれ、信頼関係が築きやすいこともメリットです。とくにターゲットがインターネットを活用していない場合、情報収集の手段が限られるため、カタログやサンプルなどを持っていくと、相手から喜ばれることもあります。ただし、成果が出るまでには時間と労力がかかるため、バランスを考えて営業していくといいでしょう。

飛び込み営業で成果を出すポイント

・営業時間を把握し、忙しい時間に訪問しない
忙しい時に訪問しても話を聞いてもらえません。ランチやディナータイムは避け、空いている時間を調べておきましょう。

・店長やオーナーなど決裁権限のある人に話を聞いてもらう
飛び込み営業はアポイントなく突然訪問するため、店長やオーナーに会えないこともあるでしょう。しかし、アルバイトの人に話をしても、商材購入の決済権限のある人にまで商材の魅力がなかなか伝わりません。決裁者が誰かを事前にチェックして、直接話を聞いてもらうことが大切です。

・訪問先の情報を事前にリサーチしておく
飛び込み営業を成功させるために、相手の情報を把握しておくことは重要なポイントです。訪問先の情報を事前にリサーチしておくと、相手の背景やニーズを理解したうえで的確な提案ができます。

・商談は2回目以降に持ち込む
飛び込み営業は、1回の訪問で成約に至るケースはほとんどありません。何度か訪問し、相手との信頼関係を徐々に構築することで、商談に応じてもらいやすくなります。まずは、相手の警戒を解くことを意識し、商談は2回目以降に持ち込みましょう。

既存の取引先から紹介してもらう

いつも取引している飲食店に横のつながりがあれば、卸売先になりそうな新しい飲食店を紹介してもらえるかもしれません。どのような食材を求めているのか、どのような悩みや不満を抱えているのかなど、相手が求めていることをあらかじめ確認しておくと、見込み顧客との商談をスムーズに進められます。紹介営業は、紹介してくれた飲食店との良好な関係づくりにも役立ちます。紹介してもらった際には、特典を用意するなどして、既存顧客との関係性をさらに深めていきましょう。

ECサイトを運営する

従来の「足で稼ぐ」営業では、獲得できる顧客に限界があります。そこで試してみたいのがECサイトを活用して卸売先を探す方法です。飲食店でも仕入れにインターネットを使っている人は多く、販路を大きく広げられるチャンスがあります。卸売業のオンライン化は他業種に比べて遅れているのが現状です。BtoB向けのECサイトを構築することにより、他社との差別化を図れます。

マッチングサイトを利用する

インターネット上には、業務用食品を販売したい企業と、食材を買って自分の飲食店で使いたいという人が出会えるマッチングサイトがあります。マッチングサイトを利用することで、自社が扱う食品をカタログに掲載したり、直接商談ができたりと、さまざまな形で販路拡大につなげられます。

インフォマートの『BtoBプラットフォーム 商談』は、業務用食品・食材の仕入れ先をWeb上で見つけられるマッチングサイトです。10,000社以上の企業が利用しており、多くの顧客に出会えるチャンスがあります。売り手と買い手をダイレクトに結びつけ、効率的な取引を実現します。

食品卸売業が販路拡大を成功させるコツ

トレンドや市場ニーズを把握する

飲食業界は外部環境の影響を受けやすく、ニーズやトレンドが変化しやすいため、市場の分析が必須です。市場全体の動向や目まぐるしく変わる顧客のニーズを把握し、理解しておくことは、売れる商材ラインナップを築き、売上アップにつなげるために必要な準備といえるでしょう。

在庫管理や物流の効率化を図る

在庫管理や物流の効率化は、需要の変動に対応した安定供給を実現するうえで不可欠な要素です。飲食店の多様なニーズに迅速に対応していくためには、在庫管理システムや自動倉庫システムを導入するなど、過剰在庫や不足在庫のリスクを低減する工夫や取り組みが必要となります。

ブランディング戦略を立てる

選ばれる卸売業者になるためには「ブランディング戦略」が必要になります。ブランディング戦略とは、自社の強みや独自性を市場で明確に示し、競合他社との差別化を図るための重要な戦略です。「魚を仕入れるならあの会社」「あの会社に頼めば何とかしてくれる」など、自社の商品やサービスに愛着をもったファンを増やすことで、中長期的に売上拡大を図れます。まずは自社の現状分析を徹底的に行い、経営理念や行動指針、自社の強みを明確にしましょう。

食品卸売業が売り込みで差別化を図るには?

卸売業の場合、取り扱う商品は一般的には仕入れ品であり、競合店でも販売されているものなので、商品以外の差別化を図ることはもともと難しいといえます。しかし、顧客のニーズや市場のトレンドを把握することで、競合との差別化を図ることは十分可能です。

品揃えによる差別化

商品そのもので差別化できなくても、商品のラインナップに特徴を出すことによって差別化ができます。しかし、中途半端な商品や品揃えでは、顧客満足は得られません。品揃えの「幅」を広げるよりも「奥行き」を深くすることが重要です。「黒毛和牛の仕入れに強い」「イタリア食材を豊富に扱っている」など、特定の分野の専門性を高めて、個性を打ち出しましょう。

販売方法による差別化

販売方法を工夫することで、飲食店に対して効果的にアピールできます。たとえば「どこよりも丁寧に顧客のニーズを聞いて、最適な食材を提案する」「インターネットの販売サイトで、商品写真や商品説明を詳しく掲載し、商品を選びやすくする」など、アイデア次第でいくらでも工夫できます。

売る人による差別化

これは「この人から買いたい」「この人が奨めるのであれば信頼できる」という状況になることを指します。担当者の人柄に惹かれて卸売店を選ぶ人も珍しくありません。まずは、相手の話すことに深く耳を傾け、信頼を築くことが大切です。

付加価値による差別化

取引先に喜ばれるちょっとしたサービスを無償で提供することで、差別化を図れます。たとえば、素材の特徴や季節に応じたレシピの提案、商品の保存法のワンポイントアドバイスなどは、顧客にとって嬉しいサービスの1つです。小さな気配りの積み重ねは地味な取り組みではありますが、競合には見えにくいため逆にまねされにくく、自社の優位性を着実に高めていくことができます。

自社の強みを見つけて差別化を図ろう

今回は、未開拓の顧客層に販路を広げる方法や、新規や既存の飲食店に商品を売り込む際のポイントを解説しました。食品卸売業はさまざまな課題に直面しており、厳しい状況下にありますが、アイデア次第で販路拡大を狙うことは可能です。競合他社との差別化を図り、売上アップを目指しましょう。

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