ロードサイド飲食店の特徴
ロードサイドといっても様々あるが、主な特徴は都市郊外の幹線道路沿いに店舗を構える飲食店といえるだろう。例えば、人通りの多い都市部や駅から離れた場所に位置する国道や県道、バイパス沿いなどにある店舗のことだ。
商店街や繁華街、大型商業施設とは異なる特徴や強みを持っているため、ロードサイド店舗ではそうした立地や客層を踏まえた店舗運営が必要になってくる。まずは運営方法や集客アップを図るためにも、ロードサイド独自のメリットを理解しておきたい。
ロードサイドならではの立地
ロードサイド飲食店は、店舗のある立地から様々な客層や戦略を想定して店舗運営に取り組む必要がある。では具体的にどんな特徴があるのか見ていこう。
アクセスのしやすさと駐車の利便性
ロードサイド店舗は幹線道路やバイパス沿いなど、交通量が多い道路沿いに面しているため、目的地までの道案内が分かりやすく迷うことなくアクセスできる。また近場に車を駐車することが難しい駅前や中心街と比べ、お店の前に直接駐車できる利便性の高さも特徴だ。
しかし、中央分離帯のある道路では反対車線からの入店が面倒であること、交差点の近くでは車線変更が遅れると通り過ぎてしまうなどの懸念がある。そうした場合には、遠くからでも視認しやすい看板等を設置するなど、早めに店舗を認知してもらえるよう工夫することが重要だ。
他業種の店舗も多く出店されている
ロードサイドにはスーパーやショッピングモール、衣類販売や家電量販店、子供用品店やスポーツ用品店などがあり、食事以外の様々な目的で訪れる顧客にもリーチしやすい。一方で地域によっては同じ業態の店舗が連なり、競合することもある。店舗のテーマやコンセプト、価格帯、客層を明確にし、他店にはない独自の強みを作る必要が出るだろう。特に出店前の場合、どこに店舗を構えるのが適しているかを事前に調査した上で物件を選ぶことが大切だ。
商圏エリアが広い
徒歩で移動する見込み顧客が多い都市部や駅前に比べ、ロードサイド店舗は車やバイクを利用した顧客をターゲットにするため、多少離れた地域からの集客も期待できる。
具体的には、徒歩だと5~10分で移動できる範囲は約500m程度、しかし車であれば同じ時間で2km~3kmほどとなる。より広い範囲の商圏エリアを設定しやすい分、どのような固定客を獲得できるかが重要になってくる。だからこそ、どんな目的で道路を利用する人が多いのかといったリサーチは欠かせない。
例えば、産業道路沿いであれば昼休憩や仕事帰りのサラリーマン、生活道路沿いだとそのエリアに住んでいるファミリー層などがターゲットになってくる。とはいえ来店客によって年齢層や家族構成なども様々なので、商圏エリアの人口・年齢層・世帯収入などまで細かく調べることが重要だ。
家族連れやグループ客を呼び込みやすい
そもそも郊外にあるロードサイド店舗は、駅前や都心部と比べて賃料が安い傾向にある。そのコストを抑えられる分、店舗内の面積や駐車スペースを広く取れるため、ファミリー層や団体客などの大人数で来店しやすい。
特に家族連れの場合、狭い店内だと子供が大声を出して迷惑をかける心配があったり、満席だと落ち着いて食事を食べることも難しくなってくる。しかし広い空間のロードサイド店舗であれば、席の間隔を空けやすく席数を多めに設置することが可能だ。加えて、ベビーカーでの入店も受け入れるなど、家族連れでも安心して入店できる空間を作れる。
ロードサイド飲食店を運営する際のポイント
多くの飲食店では、人手不足という慢性的な課題があるため、店舗業務を円滑に実施するための仕組みづくりが求められる。ここではロードサイド飲食店を運営する際の具体的なポイントについて詳しく解説していく。
ファミリー向けの設備とサービス
ロードサイド飲食店では、家族連れがメインターゲットになりやすいため、ファミリー層や子供向けのサービスを充実させることが、満足度の向上やリピーターの獲得につながりやすい。
例えば小さな子供がいると、席に座ると背が足りず手が届かないなどの不便さが出てくる。そうした場合は、子供用のテーブルや椅子を用意しておく。広い空間を確保しやすいロードサイド店舗では、それらの設備やベビーカーを設置するスペースなども確保できるだろう。また授乳室やおむつ交換スペースなどがあれば、乳幼児のいる家族連れにも喜ばれる。
地域の特色を生かしたメニュー開発
近隣に似たような業態のチェーン店などが出店しているなら、できる限り競合店との差別化を図りたい。例えば、地域特有の食材や特産品を活用したメニュー開発だ。
しかし多くの人に知られている特産品は、他の飲食店がすでに取り扱っているケースも少なくない。そこで周囲の競合店をリサーチし、他では取り扱っていないような食材を使うことで店舗の独自性を出していくことも重要となる。
また食材だけでなく、展開するサービス自体を最適化することも1つの手法だ。例えば、ドライブスルーやテイクアウト、デリバリーサービスを利用する顧客が多い場合、購入してから持ち帰る際に料理が冷めることも想定される。
そこで冷めても美味しく食べられるメニューの考案、保温・加熱機能付きパッケージの導入などで、いつでも美味しい食事を提供することが可能だ。
店舗のオペレーション
曜日や時間帯によっては、来店客の大幅な増加も想定される。特に家族連れをターゲットにしているなら組数あたりの客数が多くなるため、週末の昼間や夕方などが混雑しやすい。そうした時間帯には、できる限り多くの人員を配置できるようなシフト調整が必要不可欠になる。
またテイクアウトやドライブスルーなども行なっている場合、通常のホール業務に加えて調理や梱包作業が増えてしまう。どうしても手が回らない状況が出てきやすいため、業務の改善や見直しが求められる。
とはいえ募集をかけてもすぐに人材が集まらなかったり、採用する余裕がない飲食店もあるだろう。そうした場合には、「配膳ロボット」「注文用タッチパネル」といったデジタルツールの導入も手段の1つになる。業務の自動化や効率化を図り人手不足を補うことは、結果的にお客様の満足度向上につながっていく。
SV・マネージャーの臨店
多店舗展開している飲食店の場合、ロードサイドにある店舗は本部と距離が離れている場合が多く、SVやエリアマネージャーが巡回やヘルプに行けないケースもある。特に人員不足に陥っていたりトラブルが発生した店舗があると、店長はそちらに付きっきりになってしまい、本部との連絡が遅れかねない。
だからこそ、SV・エリアマネージャーが日頃の状況を効率的に把握できる仕組み作りが必要だ。具体的には、以下のようなことが挙げられる。
- チェック項目を事前に把握し、円滑な指示やアドバイスを実施
- 定期的な本部指示や業務連絡はリモートで行う
- 店舗でのタスク実施状況、チェックツールの導入などでDX化を図る
SVやマネージャーの臨店は、店舗の状況確認や的確なアドバイスで売上改善を促すことにあるため、目的を明確にしておくことでよりスムーズな巡回につながる。特に飲食店の場合、
- 看板やポスターの内容
- 店内の雰囲気や清潔さ
- スタッフの身だしなみや掛け声、接客態度
- メニューの盛り付けや提供時間
- 客席への誘導や会計時の対応
- 店舗の業績や在庫状況
などの確認すべきことも多い。
各店舗で素早く業務を遂行できるよう、マニュアルなどを完備しておくべきだろう。
ロードサイド飲食店の事例
ロードサイドで飲食店を展開するには、その立地や客層などをうまく活用することが売上アップにつながる。どんな戦略を練ればいいのか、どういう業態や展開をすればいいのかを以下の事例から参考にしてほしい。
立地を活かしたFC展開「元祖豚丼TONTON」
「元祖豚丼TONTON」は、北海道の帯広名物である豚丼を提供する飲食店。直営店とフランチャイズ(FC)加盟店による多店舗展開で、2020年6月から2年で約50店舗と多くの地域への出店を実現している。
同店舗では、東京や大阪の都心部に構える店舗の平均売上は月300万円ほどになっている。しかしロードサイド店舗だと、月1,000万円ほどの売上に迫る店舗もあるという。全店舗の売上ランキングでは、ロードサイド店舗がすべて上位を占めているそうだ。
その要因としては、都心部に比べて競合が少なく交通量が多い点が挙げられる。集客しやすい環境下で、気軽に食べられる豚丼店としての位置付けを狙っていく戦略だ。
また一般的な牛丼チェーン店のような店舗と異なり、「北海道帯広の豚丼」という唯一性や試行錯誤を重ねたメニュー開発など、独自のブランド力を培っていることも大きな理由の1つといえる。
参考:https://foods-ch.infomart.co.jp/interview/buyer/1701245145168
ロードサイド店舗が抱える課題は店舗タスク確認ツールで解決
ロードサイド飲食店は、その立地による特徴からより多くの見込み顧客を呼び込め、家族連れなどの団体客を集客しやすいなど、都心部や駅前にはないメリットが数多く存在する。
とはいえ、それらの利点を活用して集客を増やすには、適切な店舗運営が必要不可欠だ。特に慢性的な人手不足に陥っている店舗だと、業務上の課題は多い。本部と店舗間の距離が遠くなることでSVやエリアマネージャーによるサポートが行き届かない懸念点も挙げられる。
そうした問題に対応するのであれば、店舗のタスク確認・マニュアル共有ツール「V-Manage for ロードサイド店」などのITツールを利用することで解決できる。例えばV-Manageでは、SVが店舗にいなくてもタスクの実施状況の確認や指示出しなどが可能なので、離れた場所から店舗管理を実現できる。
また日々の店舗業務の設定やマニュアルの共有などにより、各店舗のスタッフ教育や業務達成率のばらつきを抑えやすい。スタッフが能動的に動ける環境を作ることで、アルバイト主体の時間帯でも質の高いサービスを提供できる。