食品製造と飲食店経営。2方向から京の食を提供
【Q】沿革と事業内容を教えてください。
弊社は2018年で、創業40周年を迎えました。京都の伝統的な家庭の惣菜「おばんざい」や、おせち料理などの冷凍食品を製造・販売しています。
今でこそ冷凍のお惣菜やおせちは一般的になりましたが、弊社はその先駆けです。冷凍の惣菜自体がなかった時代に自然解凍で食べられる特殊技術を開発しました。それ以来、旬の素材を生かした京の伝統の味を全国にお届けしています。おせちのお取引先は200社あまりで、百貨店、スーパー、生協と多岐に渡り、通信販売も行っています。おばんざいなどの惣菜は、ハイグレードのホテルやレストランなどにご利用いただいています。売上は、おせちと惣菜で売上をほぼ二分しています。(代表取締役社長 長嶋氏)
【Q】飲食店も運営されていますね。
多くの方に京のおばんざいの美味しさを知っていただくため、京都市内で直営の飲食店「京菜味のむら」を開店し、自社商品を提供しています。また、賞味期限が3分の1ルールを越えて出荷できないものなど、品質にはまったく問題ないにも関わらず流通できない商品を使用することで、フードロス対策にもつながっています。2018年9月には、2店舗目をオープンしました。(代表取締役社長 長嶋氏)
原材料の正確な情報管理で、大手小売のPB製造に対応
惣菜製品の主な取引先業態は、どちらになりますか?
製造する惣菜のうち、8割以上がPB商品です。特に小売で大手の取引先からの引き合いが多く、ここ20年あまりで、食の安全に求められるレベルが大変高くなったと感じています。規格書の作成や提出対応もかなり増えました。例えば、おばんざいのしょうゆに使われている大豆の情報など、第三階層の原材料まで開示を求められます。1ヶ月に30件ほど対応しているほか、おせちのシーズンはさらに2~30件あるので、年間で400件を超える提出依頼があります。(代表取締役社長 長嶋氏)