デザート感覚で健康的に小腹を満たす
豆乳飲料のバラエティは地域限定品や季節商品もふくめると32種類(2018年7月現在)にもおよぶ。当初からある麦芽コーヒー味や、紅茶味といったベーシックなものに加わったのは、マンゴー、メロンといったフルーツとの組み合わせ、さらにはやきいも味、みたらし団子味といった変わり種まで実に幅広い。
そのコンセプトは豆乳としての健康的なイメージが感じられることに加え、「ユニークであること」。狙うのは、くすっと笑ってもらえるような意外性やギャップだ。
また、豆乳飲料は、朝食に飲むことが多い調製豆乳に比べ、職場などで小腹が空いた時に飲むシーンがあるという調査結果を踏まえ、お菓子やデザートの代わりになるようなフレーバーも意識しているという。
「15時くらいに職場でちょっとおなかが空いてクッキーなどのお菓子を食べてしまうと思います。一方で、体に良くないのではという罪悪感もつきまといます。しかしデザート味の豆乳なら、果汁や糖分が加わっているとはいえ大豆の成分もきちんと入っており、わりと罪悪感や抵抗感といったハードルが下がるようなのです。そんな小腹が空いた時の選択肢を増やすご提案をしながら、フレーバーを増やしてきました」
ユニークさで目をひき、手にとってもらうためにネーミングにもこだわりがある。
「バニラアイス」「みたらし団子」「おしるこ」など、具体的に目に浮かんで味の想起もできるようにしてあるのだ。
2018年春の新商品は「チョコミント」「ココナッツ」「シナモン」の3種で、中でもチョコミント味は発売前から、いつ店頭に並ぶのかと消費者から問い合わせの電話が来るほど期待値も話題性も高かった。
世の中もチョコミントブームだったこともあり、ピーク時には、看板商品の調製豆乳の出荷数を超えた瞬間もある。
「我々の市場はヘビーユーザーのお客様が非常に多いのが特徴です。そういった方からお葉書なども多くいただきますし、今はSNSでも商品の反響を日々いただけています」
商品の良さを広めて、ブームから定番商品へ
しかし、きっかけづくりとはいえ、なぜそこまでフレーバーを増やし続けているのだろうか。変わり種の豆乳飲料は、豆乳製品を手にとるきっかけづくりであると同時に、「豆乳の世界観を広げる」という狙いもあるという。