「より本物に近く」を目指し、進化し続けるカニカマ
農林水産省のデータによると、ちくわ・かまぼこといった水産ねり製品の生産量は、1975年の約103万トンをピークに微増微減を繰り返しながら、年々減少傾向にある。
2017年には約45万6000トンとなっているが、その中で生産量を増やしているのがカニカマを含む「その他かまぼこ類」だ。2010年に6万5000トンだった生産量を2017年には10万トンに増やしている。
風味かまぼこの元祖として市場を牽引しているのがスギヨであり、その看板商品「香り箱」は、これまでのカニカマにはなかったリアルな見た目と食感で、2004年に登場するなり世間を驚かせた。
開発に取り組んだ常務取締役・開発本部長の野田實氏は、そのポイントを「スギヨが30年以上積み重ねてきたカニカマ作りのノウハウに、論理的、理化学的な分析技術が組み合わさったこと」にあると分析する。
「弊社のカニカマ開発の歴史は1972年発売の『かにあし』に始まります。中華食材としてクラゲの代替品作りに魚肉を使って取り組んでいる中で偶然、失敗作がカニの風味に似ていることに気づいたのがきっかけでした。」