業界最速。60秒で食べられるパスタ~三ツ星キッチンパスタシリーズ(アマノフーズ)

卸・メーカー2016.04.25

業界最速。60秒で食べられるパスタ~三ツ星キッチンパスタシリーズ(アマノフーズ)

2016.04.25
真空凍結乾燥(フリーズドライ)食品製造機

「洋風商品の中でも若い世代に人気があるパスタは、当初から作りたいと思っていました。ただ、デンプン質の多い食品はフリーズドライに向かないという課題があったのです」

デンプン質が多く含まれる食品は、真空凍結乾燥した後、お湯で戻す際に水分が浸透しづらく、復元に時間がかかる。とはいえ、開発そのものを止めたわけではなかった。この時、竹内氏が所属するマーケティング部門ではパスタ市場の調査を進めていた。

商品差別化のキーワードは、「個食」と「プチ贅沢」

「パスタ全体の市場を見てみると、2010年に1584億円だったのが、2015年には1760億円まで伸びていました。さらにパスタの種類をチルド、冷凍、乾麺、カップスープ型の4つにジャンル分けしてみたところ、冷凍パスタは市場規模も伸び率も大きかったのです。さらに、チルドパスタも市場は小さいながらも伸びていました」

このデータを元に、開発チームは商品の差別化につながる幾つかのキーワードを導き出した。

「冷凍とチルドが人気の理由は、生パスタブームがあります。最近の冷凍商品は生パスタを使っており、女性に人気なんですね。また、このふたつに共通するのが簡便性です。レンジでチンして簡単に美味しいものを食べたいというニーズですね。さらに重要視したのは、個食への対応でした」

現代の日本では、単身や夫婦のみの少人数世帯が増えており、生活時間も家族単位から個人単位へとシフトしている。

アマノフーズアンテナショップ横浜店

「子供のいる世帯でも、家族揃って夕食を摂る機会が減少しているばかりか、別々のものを食べるという傾向もあります。さらにおかずの品数には、理想と現実にギャップがあったのです。理想は3品以上ですが、実際には2品以下という消費者が半数以上いました。つまり、いろんなものを少しずつ食べたいという需要があるんですね。こうした調査結果から、個食は重要なキーワードになると考えました。そしてフリーズドライは、個食に適しています」

また調査を進めるうちに、竹内氏はさらに一歩踏み込んだニーズがあることがわかったという。

女性を意識した“プチ贅沢”な味わいの追求

「フリーズドライは、調理した食品を冷凍して真空乾燥させているだけなので、味や風味も普通に調理したものに近くなります。そこで注目したのが“プチ贅沢”でした。特に女性はちょっと贅沢したいという気持ちがあります。これを元に、開発担当者と一緒に飲食店を食べ歩き、どんな味わいにするかを詰めていったのです」

企画と開発の担当者が実際に舌で感じた味を共有することで、商品の味にブレが出ないように努めたという。

「“プチ贅沢”を満たすためには、濃厚な味わいがポイントになると考えました。またフレーバーやコンセプト調査の結果では、トマトやチーズを使ったクリームパスタへの反応が非常に良かったのです。企画の方向が決まったことで、これまでにない、新時代の高品質なものを作りたいと思いました」

ところが、前述のようにデンプン質の多いパスタはフリーズドライ製法には向かない。

「試作品では、お湯を注いで戻す時に水分が入りづらく、食べられるようになるまでに3分から5分もかかってしまいました。フリーズドライとして、そんなに時間がかかる商品でいいはずがなく、30秒から1分で食べられるものにする必要があったのです」

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