木曽路、企業風土を改革。創業家以外の社長就任でトップダウン型からチーム型に転換

飲食・宿泊2026.07.02

木曽路、企業風土を改革。創業家以外の社長就任でトップダウン型からチーム型に転換

2026.07.02

原点回帰のカジュアル化と店舗投資で、純利益21%増を見込む

【Q】今期の純利益が21%増見込みの要因は何ですか?

木曽路のすき焼き全皿料理写真
木曽路のすき焼き

従業員の給与引き上げや原材料の高騰により、当社も7億から10億円近くのコストアップが発生していますが、昨秋から既存店売上が順調に推移しています。さらに、しばらく凍結していた新規出店を再開したことも増収へ寄与しました。今後は季節のフェアやキャンペーンを強化し、さらなる来店数の増加を見込んでいます。

【Q】メニューや店舗の改善点を教えてください。

木曽路は10人中7人が知っていても、3年以内のご来店は1人という調査結果が出ています。これまで高品質なメニューを繰り返しご提供してきましたが、いつの間にかハードルが高いと感じられていったようです。そのため、カジュアルにお楽しみいただける新メニューの定期的な投入で需要喚起を行いました。

木曽路は1966年、高級料理だったしゃぶしゃぶを身近にする“しゃぶしゃぶの民主化”を掲げて開業しました。この原点に立ち返り、「いいことあったら、木曽路へ」というキャッチフレーズのもと、特別な日だけでなく日常のちょっとした節目にもご利用いただける店舗にしていきます。

また、ご年配や女性のお客様に敬遠されがちだった和室の座敷個室を、1店舗あたり5千万円ほど投じてテーブル席へと改装する計画を進めてきました。現在は全店舗の半数ほどが改装を完了しており、残りの店舗についても計画的に実施する方針です。

チーム力の強化と100周年への風土改革

【Q】経営体制の変化で、従業員の意識を変える方法はありますか?

会議だけでなく食事会やゴルフなどの場も含めて、腹を割って正直に話し続けること以外に方法はないでしょう。綺麗にまとめるのではなく、良いことも悪いことも正直に伝え続けたことで、従業員の行動や社内の雰囲気に少しずつ変化が生まれてきました。私は学生時代に教員を志望しており、部活動を通じて全国大会を目指すような先生になりたいと考えていた時期があります。小学校まで野球を行い、中学では野球部がなかったためテニスに打ち込みましたが、当時の仲間とは今でも繋がっています。

木曽路の店舗内観個室テーブル籍イメージ

教室では話す機会がないタイプでも、部活という共通の目的があるからこそ真剣に向き合うのが本当のチームです。社長業も一種のクラブ活動のように、メンバーと同じ目標に向かって挑戦し、達成感を共有して幸せを感じていただきたいという思いを抱いてきました。

リーダーの最大の役割は、一人ひとりが持っているポテンシャルを引き出し、チームに貢献しているという実感を持てる組織にすることです。私が来て1年が経ちましたが、従業員は木曽路が100周年に向かうために方向性が変わったと感じてくれているでしょう。

【Q】これからの店舗運営で重視することは何ですか?

スペシャリストである店長、料理長、接客長が、横の連携を深めることです。飲食店はチームワークビジネスであり、専門職が揃っても連携しなければ良いお店にはなり得ません。お互い協力し合える体制にすることが、これからの店舗改善における最大のポイントです。

まずは会社の風土や仕事の仕組みを再構築し、創業家によるトップダウン型ではない組織で回る会社への改革を進めてまいります。伝統を未来に繋ぐというスローガンのもと、みんなで考えて率直に発言できる会社になれば、あらゆる可能性が広がります。そして、どこでも通用する仕事力やチーム力を生み出し、次なる事業戦略や業態戦略へと繋げていく決意です。 

株式会社木曽路(グビエイト)

本社所在地:愛知県名古屋市昭和区白金3-18-13
設立:1952年9月30日(創業:1950年5月20日)
公式HP:https://www.kisoji.co.jp/

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