客単価3,500円の激戦価格帯を制した、“使える”シーフードバル~サカナバル

飲食・宿泊2019.03.06

客単価3,500円の激戦価格帯を制した、“使える”シーフードバル~サカナバル

2019.03.06

客単価3,500円の激戦価格帯を制した、“使える”シーフードバル~サカナバル

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東京・恵比寿の「サカナバル」。ワインによく合う魚料理に特化したスタイルで、女性客を中心に熱烈な支持を得ている。六本木、川崎、都立大前と4店舗を展開し、いずれも予約必須の人気店だ。

恵比寿店は、いまや17坪で月商900万円を売り上げる。だが、運営する株式会社アイロムの代表取締役社長、森山佳和氏によると、2012年のオープン当初は「小さなバー並の売上しかなかった」という。

目次

ありそうでなかったシーフードバル

近年の肉バルブームの影響もあり、バル業態は細分化が進んでいる。そんな中でもシーフードに特化したバルは「ありそうでない」と森山氏はいう。

「サカナバルがオープンした2012年ごろは、バルといえばイタリアンバルやスペインバルでした。現在でも、当店のように肉料理を一切出さない魚介オンリーのバルは、ニッチなジャンルです」

“ありそうでない”は、差別化もはかれてフックになる一方、リスクもはらんでいるという。

「たとえば4人で飲み会を企画した際、1人でも魚料理の気分でない人がいれば、店の候補から外れてしまいます。残りの3人に求められ、リピーター率を追求する必要があり、必然的にコストパフォーマンスの良さが求められます」

サカナバルの客単価は3,500円。バル業態だけでなく居酒屋、ダイニングバーなどのライバルがひしめく、激戦価格帯だ。

「この価格帯を求めるお客様は、ある意味とてもシビアです。同じくらいの価格帯の美味しい店に1度でも行くと、“あの店より美味しいか、コスパがいいか”が判断基準になります。基準から外れると、二度と来ていただけません。

逆にいえば、美味しいと思えばリピーターになって、“本当にいい店だから”と、知り合いを連れてきてくださいます。ですから、最低ラインの基準を高く保ち、悪いものを出さないのは絶対条件です。魚の鮮度は特に気をつかい、少しでも味が落ちる前に提供できるかを心がけています。ホールスタッフも全員、仕込みで魚をさばくスキルを身につけてもらいます」

仕入れる魚の種類は季節や天候で変わる。効率よく提供するために、メニューは各店舗の料理長の裁量に任される。そのため、店舗ごとにまったく違うメニューが、日替わりで提供されるのがサカナバルの大きな特徴だ。


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