現在、社員が約130人、アルバイトも入れると800人で、新たに店を出せばそのぶん人も増えていきます。ただ人が集まればいいということではなく、集まってくれた人を育てるため、人数分の育成の手間や時間がかかっていきます。展開の速度が速ければ早いほど負担も増えます。だからこそ組織を大きくするために、いかにやらないことを増やすかを考えていく必要があるのです。(井石氏)
“やらない”ことを増やすために発注をシステム化
【Q】具体的に、やらないと決めたことはどんなことですか?
たとえば、インターネットでの販促があります。まったくやっていないわけではありませんが、それに頼ることはしません。
店のことに集中という点でいえば、店長にはネット上の店舗評価に気をとられてほしくないのです。見るべきはパソコンの画面ではなく目の前のお客様で、そっちに集中してほしい。極端にいえばグルメサイトのクチコミ評価が悪かろうと、地元の常連のお客様でいつでも満席なら、その方がいいじゃないですか。(井石氏)
仕入れ先も増やしません。長年のつきあいのある取引先と取引を続けた方が、価格の交渉もしやすいし手間もかからず、お互いメリットがあると思います。さらに発注業務そのものの手間を省くために電子発注システム『BtoBプラットフォーム受発注』を利用しています。
経営にITを取り入れて効率化することを考えるようになったのは、ダンダダンのひとつの目標だった月商1千万を売り上げる店舗が達成できた頃です。4店舗目のことでした。(田中氏)
【Q】効率化を考えたきっかけはあったのでしょうか?
当時、私は毎日餃子を握りまくって、店が終わったら社員を車で送り、事務所に戻って夜中の2時から明け方5時くらいまで売上の計算をするような、ほぼ寝られない日々が続いていました。
各店舗の売上金が入った封筒を毎日回収し、納品伝票や仕入れのメモ書きを元に帳簿をつけたり、現金があっているか確認したり。忙しくて銀行に入金に行けないと、集金した売上げが事務所に現金のまま、1千万近く溜まっているような状態だったんです。今後さらに業務を拡大していくことを考えると、これまでのようなアナログなやり方では無理だと思いました。
そこでまず、それまで手書きだった伝票をPOSレジに変え、売上はパソコン上で日次管理するようにしました。また、売上金は事務所に集めるのではなく、店舗ごとに銀行ATMに入金してもらい、ネットバンキングでその金額を確認するように変えました。(田中氏)
【Q】『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入した理由は何ですか?
FC(フランチャイズ)展開も視野に入れた拡大をしていく上で、受発注管理を一本化する必要性を非常に感じるようになっていたからです。
導入前の発注は電話やFAXだったので、請求書が届いたらそれをエクセルに入力してCSVに変換し、ファームバンキングにデータを送っている状態でした。(田中氏)