あと、意外と大事なのが社員の納得感ですね。軸のない判断ばかりをしていると、会社に対する信頼度は下がり、離職率も上がってしまいます。社員は仲間とはいえもともとは他人の集まりですので、チームとして動くためにも共通の想いが必要になります。会社がピンチでバラバラになりやすい時こそ、企業理念の本当の効果が発揮されると思います。
【Q】現在の会社の目標はなんでしょうか?
弊社の目標のひとつに「200年続く会社を作る」というものがあります。それを実現するのに何が重要かというと、結局は人なんです。人の成長こそが、会社の成長につながります。そこで2008年から取り入れているのが、当社独自の「ハッピープログラム」という人事評価制度です。
【Q】具体的にどういう制度なのでしょうか?
「ハッピープログラム」とは、年2回、全社員の成長の度合いを測る制度です。この評価制度で重きを置いているのが、まさに「Be Happy」への理解です。これが評価の中でかなりのウェイトを占めています。
例えば、入社したての社員であれば、この半年間、理念に対してともなった行動をしていますか?とか。つまり自分のことだけでなく、人にも良くしてあげましたか?ということが評価されます。
さらに上の役職へ行くほど、理念への理解度を求められます。例えば店長やマネージャークラスになると、今度は店全体をHappyにすることが求められるわけです。そういう意味で、同じ「Be Happy」でも人によって達成する項目や、書かれている言葉は違います。
さらに、自己評価と上司評価のあとに、全社員と私で1:1の面談を行っていました。しかし社員数が150人を超えたあたりから、物理的に私がその時間を作ることができなくなってしまい、今は事業部の部長・本部長6人に協力してもらい、まとめて報告を受けています。つまりこの6人が私の代わりに全員と面接するので、私と同じかそれ以上に、理念について理解してもらわないといけませんが、いまやっとそれができる所まで来たのかなと。
【Q】他に力をいれていることはありますか?
人事の評価だけではなく、人を成長させる環境作りも大事にしています。そのひとつがパリへの海外出店でした。日本と法律やルールが全く違う場所でお店を立ち上げる経験は、関わった人を必ず強くします。
どちらかというと私は100冊の本を読むより、1つの経験をする方が大事というタイプの考え方ですので、社員が自主的にチャレンジしたいことがあり、理念に沿っていれば、バックアップをしたいと思っています。