また、海外進出には、リスクヘッジの意図もあります。今後日本は、人口減となり、分かりやすく言えば、胃袋の総数が減っていきます。それはつまり、飲食ビシネスが縮小に向かうことを意味しているのです。一方で、海外の先進国では人口が増えていきます。今後200年続く会社を作るためには、海外を含めたグローバルな視野での新規出店と、1つの業態に縛られない多ジャンルでの展開が必要だと考えています。

先ほどの話と矛盾してしまうかもしれませんが、海外に視野を広めつつも、同様に日本国内の地方への出店も考えています。日本の地方都市は過疎化が進み、利益追求だけを求めると地方からは撤退せざるをえなくなります。

しかし、当然ながら地方にも人はいるんですよ。そこにいる子供が「おじいちゃんと食べた近所のハンバーグが大好き」という幸せな思い出は、是が非でも守っていかなければいけないと思います。なぜならそうした食を通じた経験こそが「Be Happy」であり、飲食ビシネスが長期的な視点で活性化する原動力にもなりうると思うからです。

海外や地方への進出など、リスクの高い取り組みこそ、我々がやるべきだと考えています。幸い弊社の社員は十人十色の個性が強い人間が揃っているので、「海外のような新しい土地で力を発揮したい」という人間がいたかと思うと、一方では「地方を活性化したい」という人もいます。

何にモチベーションを持つかは人それぞれ。しかし社長としては、社員が光り輝く瞬間を増やしていけるのであれば、それでいいと思っています。そして最終的に1人でも多くの人が「Be Happy」になれる社会になればうれしいですね。

寺川社長のインタビュー番外編『思い出の一皿』はこちら