お客の店舗利用動機から、店舗の差別化を進める
リトル沖縄オーバーシーズは、社名にもなっている「リトル沖縄」のほか、「ちゃんぷるぅ家」、「竹富島」など、合計5店舗の沖縄料理店を運営している。各店舗の利用客には、「沖縄料理が好きだから来た」ではなく、「店そのもののファンだから来た」という動機が目立つ。その裏には、小嶋社長の戦略があった。
「お客様が何を求めているかという視点から、店舗間で差別化を図りました。居酒屋利用や食事利用など、用途に合わせて店舗のメニューや内装を変えることで、各店舗のファン作りに取り組んだのです」(小嶋社長、以下同)
こうした発想は、小嶋社長がかつてサラリーマンだった頃の経験からきているという。世のサラリーマンが、一日の終わりに自分のお金で食事やお酒を楽しむとしたら、どういう店を求めるかを考えてのことだ。
「私は経営者として冷静さを保つため、一歩引いた目線でお店を判断するようにしています。味や価格、サービスなど、さまざまな視点から総合的に見て、お客様が求める店になっているかをチェックします」
小嶋社長は料理やスタッフの活かし方を考えながら、改善を繰り返してきた。同社が売上を伸ばすことができたのは、二つの大きな改善があったからだという。
スタッフにもFLコスト比率を共有する
小嶋社長が行ったひとつめの改善は、店舗の仕入れ・売上管理のシステム化だ。
「飲食業で数店舗の規模ですと、どんぶり勘定で終わってしまいがちです。だからこそシステムの力を利用して、スタッフ全員で数字を共有することに力を入れました」
リアルタイムに仕入れ金額や数量が確認できる「BtoBプラットフォーム受発注」を導入。さらに、POS、勤怠管理システムとデータを連動させ、売上げ・仕入れ・人件費をネット上で管理できるようにした。