初めて出会った「知らない町」のおいしい食材
【Q】ご当地酒場の出店前は、どのようなお店をされていたのでしょうか
25歳で地元・福井県の飲食店で働き始め、その店が東京進出をする際に、店長として東京へ引っ越してきました。2005年、27歳のとき東京・八重洲にホルモン酒場「合掌東京総本店」という、やきとん屋をオープンました。
初月からなんとか黒字化はしましたが、売上はパッとせず、業態としても特徴があるような店ではありません。そこに壁を感じ、なんとか他店との差別化はできないかと悩んでいました。
【Q】その後、ご当地酒場を出されるわけですが、そのきっかけは?
たまたま、幼馴染が北海道の八雲町に転勤をして、その町の海産物を送ってくれたことがきっかけです。僕は、その時に初めて八雲町という名前を知りましたが、その名も知らぬ町の海産物が驚くほど美味しかったのです。
自分でも欲しくなって、八雲町産の海産物を求めて築地へ行きましたが、見当たりません。その時、あんなにおいしいものが、流通していないのはもったいない、仕入れて自分の店で売ってみたいと思うようになりました。
しかし、飲食店を経営する上で、食材の素晴らしさや、産地の珍しさだけでは、差別化にはなりません。他店も常にいい食材を探していますし、注目が集まれば競合店での仕入れも増えてしまうからです。