まずは使用している食材、商品の情報を把握するということ
2014年10月1日現在、全国に229店舗を運営するロイヤルホスト。人気メニューはこだわりの食材を使ったハンバーグやステーキで、その高品質なイメージから“大人向けファミリーレストラン”と思う人も多いだろう。しかし、実際は子供からシニア層まで、三世代に渡って利用できるファミリーレストラン、というほうが適している。
ご存知のとおり、食物アレルギーは子供に多いとされる病気で、ロイヤルホストもこの課題に取り組んできた。
「ロイヤルホストでは、アレルギーをお持ちのお客様のために、メニューごとにアレルギー情報や栄養成分を記載した『栄養成分値、アレルギー物質一覧表』を冊子でご用意しており、お客様からのご質問にすぐ答えられるようにしています。同じ情報はHPにも掲載しておりますので、事前にご確認いただくこともできます」(ロイヤルホールディングス株式会社・山田三代氏)
食物アレルギーは、原因となる物質も発症する条件も症状も人それぞれだ。例えば特定の食材を避ければ食べられる人もいれば、同じ調理器具を使っただけで発症する人もいる。飲食店側がすべてのパターンを想定して対応をするのは難しいため、まずはアレルギーを持つ人(やその家族)自身が“食べられるか”判断できる情報を提供することが重要になってくる。
ただ、飲食店が原材料情報を来店客に提供するには、サプライヤー(メーカー、食品卸)からの情報提供が必要不可欠である。ロイヤルホストはどのように商品情報を収集、管理しているのだろうか。
「ロイヤルグループの組織構成からご説明すると、グループ全体を管轄するロイヤルホールディングス株式会社があり、その傘下にロイヤルホストを運営するロイヤルホスト株式会社や、てんやなどを運営する株式会社テン・コーポレーションなどの各事業会社があります。その各事業会社にすべての食材と商品情報を提供する役割を担当しているのが、私が所属しているロイヤル株式会社です。弊社では、原料原産国、アレルギー情報、栄養成分などを記載した商品規格書(仕様書)をメーカーさんや卸さんからご提供いただき、情報を集めています」(ロイヤル株式会社・渕野英治氏)