景品表示法に関するガイドライン
景品表示法に関連した情報は、消費者庁が様々な告示や運用基準を公表している。それらの内容をもとに、提供する商品の表示や宣伝への対応を行うことが必要不可欠になるだろう。
ここでは、上記で紹介した各項目に関するガイドラインをまとめている。
食品関係の優良誤認表示 |
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・メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について |
有利誤認表示 |
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・不当な価格表示についての景品表示法上の考え方 |
その他誤認されるおそれがある表示について |
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・無果汁の清涼飲料水等についての表示に関する運用基準について |
・商品の原産国に関する不当な表示の運用基準 |
・消費者信用の融資費用に関する不当な表示の運用基準 |
・不動産のおとり広告に関する表示等の運用基準 |
・おとり広告に関する表示 |
・有料老人ホームに関する不当な表示の運用基準 |
・一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準 |
一般懸賞・共同懸賞 |
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・懸賞による景品類の提供に関する事項の制限の運用基準について |
その他の項目に関しては、消費者庁の「景品表示法関係ガイドライン等」から閲覧することが可能だ。
景品表示法違反への対応
不当表示や過大な景品の提供を防ぐためにも、事業者は商品の表示や景品の提供などを適切に管理しなければならない。もし意図せず違反していた場合には、速やかに適切な対応を行うことが求められるだろう。
消費者庁では、事業者が実施すべき措置として7つの項目を挙げている。商品やサービスを提供する事業者は、これらの内容をもとに景品表示法への対応に取り組んでほしい。
1. 景品表示法における考え方の周知や啓発 |
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2. 法令遵守の方針等の明確化 |
3. 表示等に関する情報の確認 |
4. 表示等に関する情報の共有 |
5. 表示等を管理する担当者等(表示等管理担当者)を定める |
6. 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するための必要な措置を採る |
7. 不当な表示等が明らかになった場合の迅速かつ適切な対応 |
商品の表示に関係する従業員に向けて景品表示法の勉強会を開催。都道府県や事業者団体などが開催している講習会への参加を促す。 |
社内規定などで景品表示法に関する法令遵守を定めておく。具体的には、不当表示や過大景品の提供が起きた場合の連絡体制、商品の回収方法、行政機関への報告手順などが挙げられる。 |
表示に関する内容が正しいかを仕入れや製造、加工などの様々な視点から確認し、根拠として適切かどうかを検証する。また、景品類の総額や最高額が上限を超えていないかの確認も必要だ。 |
表示に関連する商品の規格や仕様に変更がある場合、速やかに関連部署などへ情報を共有する。加えて表示関連の従業員がいつでも閲覧できるよう、社内ネットワークや管理システムなどでデータを管理しておく。 |
事業の代表者、もしくは表示等を策定している部門のトップなどを表示等管理担当者に定め、景品表示法への対応や適切な判断ができる人材を整える。 |
商品表示の長所や要点となる根拠の情報を適切に記録・保存する。卸売業者や製造業者などへ問い合わせができる体制を整えておく。 |
景品表示法への違反やその恐れがある場合には、速やかに事実関係の確認と対応措置をする必要がある。消費者への誤認を解消するために、店頭での張り紙やWebサイト・SNSでの情報発信、および商品の回収を実施。また関連のある従業員には、必要に応じて教育や研修などを行う。 |
参考:消費者庁「事例でわかる景品表示法 不当景品類 及び 不当表示防止法ガイドブック」
景品表示法の違反事例まとめ
事業者が景品表示法に違反した事例は、数多く存在する。業種問わず対応が求められるケースも多いため、事例を参考に対策を検討してほしい。ここでは、以前紹介した景品表示法の違反事例をまとめている。
期間 | 関連記事 |
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2018年1月~2020年8月 | 繰り返される景品表示法違反。「知らなかった」では済まない、不当表示のルール |
2021年1月~2022年7月 | 知らずに違反しているかも?景品表示法違反事例と不当表示に関するルール |
2022年8月~2023年7月 | 景品表示法の違反事例。2022年8月~2023年7月まとめ |
景品表示法の遵守は消費者を守るために
2023年10月から景品表示法にステルスマーケティング(ステマ)の規制が加わったことで、商品やサービスを提供する事業者にはより慎重な対応が求められるようになった。SNSなどで気軽に宣伝できる時代だからこそ、意図せず消費者に誤認させてしまう可能性があるからだ。
景品表示法に違反した際の適切な対応はもちろんのこと、事前に防止策を講じておくことでそれらのリスクは大きく下げられる。とはいえ、表示に関するルールや制限だけでは明確に判断しづらい場合もあるため、過去の違反事例を参考にして表示する文言や宣伝方法などを改めて検討しよう。