食品衛生法、15年ぶりの大改正。影響のある業種と対応すべきこと

法令対策2018.08.09

食品衛生法、15年ぶりの大改正。影響のある業種と対応すべきこと

2018.08.09

(4)国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

関係する業種

容器等製造事業者、容器等販売事業者、食品製造・販売事業者

ひとことで言うと

規格が定められていない原材料を使用した器具・容器包装の販売等の禁止等を行われ、安全が担保されたもののみが使用できることになる。2020年6月までに施行される。

解説

食品用の器具や容器包装は、これまで禁止された物質でなければどのようなものでも使用できる『ネガティブリスト制度』で運用されていた。このため、海外で使用禁止された材質があっても、直ちに制限をかけることができなかったが、改正によって安全性が担保されたもののみ使用できることになり、それ以外は原則使用禁止とする『ポジティブリスト制度』が導入される。

(5)営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設

関係する業種

今後、政省令改正で営業許可業種の区分や施設基準についての実態に応じた具体的な見直しが行われる。

ひとことで言うと

HACCPの制度化に伴い、営業許可の対象業種以外の事業者の所在等を把握するため、届出制度を創設された。実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。

解説

現行の政令で定められている許可業種は、“飲食店営業”“食肉販売業”など34種で、それ以外にも自治体ごとに“漬物製造業”など独自に定めた業種がある。コンビニエンスストアなどの場合、1施設で飲食店営業、食肉販売業、乳類販売業、魚介類販売業、菓子製造業と複数の営業許可申請を行うケースがあり、これらも含めて見直し、営業の実態に応じた制度に見直される。

(6)食品リコール情報の報告制度の創設

関係する業種

食品関連事業者

ひとことで言うと

営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。厚生労働省による情報収集システムの構築などを経て、2021年6月までに施行される。

解説

これまで食品の自主回収の情報公開については法律上の規定がなく、自治体により条例での取り組みはバラバラであった。このため、消費者は食品事故の全容を把握することができなかった。改正によって、今後は食品衛生法に違反または違反のおそれがある食品のリコールについて、国のデータベースシステムに事業者がリコール情報を入力して届出を行うことになる。国が事故情報を一元管理し消費者に情報提供することで、健康被害の発生、拡大を防止する狙いがある。

今後の動きに注意

改正された項目は今後、1~3年以内に施行される。現時点では決まっていないことも多く、常に情報を追っていくことが必要となりそうだ。しかし、これまで以上に食の安全のレベルアップに取り組むことが求められていることは間違いない。厚生労働省や所属する業界団体からの情報発信に注意して、理解を進めてほしい。

取材協力:一般社団法人FOOD COMMUNICATION COMPASS代表 森田満樹氏

※最新の情報は食品衛生法の改正について(厚生労働省)をご覧ください。


メニューPlus|メニュー管理を 速く、楽に、簡単に。

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域