食品卸の受注効率が上がらない原因、5割が飲食店側に。利用しやすい仕組みで対策を

業界ニュース2024.05.29

食品卸の受注効率が上がらない原因、5割が飲食店側に。利用しやすい仕組みで対策を

2024.05.29

食品卸の受注効率が上がらない原因、5割が飲食店側に。利用しやすい仕組みで対策を

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インフォマートの「BtoBプラットフォーム 受発注」を受注側として利用する企業の正社員349名を対象に、受注および請求業務に関する実態調査を実施した。

本記事では、そのアンケート結果から見えてきた内容を紹介する。

目次

調査概要

調査対象:「BtoBプラットフォーム 受発注」を受注側として利用する、主に食品卸企業の正社員(※1)
調査方法:自社インターネット調査
調査期間:2023年8月24日から9月8日
回答者 :349名(※2)

※1「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」と「TANOMU」を利用する企業も含む。
※2回答者の企業規模や役職に応じ、回答いただく項目が異なるため、設問に応じ回答者数が異なる。

調査サマリー

  • 全体の3割以上が受注業務に2時間以上費やす
  • 約7割が受注業務デジタル化への取り組みに前向き
  • 受注業務デジタル化の障壁、約5割が「取引先の問題」と回答
  • 請求書業務のデジタル化に取り組みたい企業は全体の約7割
  • 請求書業務デジタル化の障壁、約3割が「取引先の問題」と回答
  • 企業運営における最も対策が必要な課題は人材確保・育成

全体の3割以上が受注業務に2時間以上費やす

「Q.会社全体における1日当たりの受注時間をお教えください」(n=262)と質問したところ、「120分以上」が31.7%、「90~120分未満」が6.9%、「60~90分未満」が12.6%という回答になり、全体の5割以上が受注業務に1時間以上、3割以上は2時間以上の時間をかけていることが分かった。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「会社全体における1日当たりの受注時間」回答グラフ

全体の7割弱は受注業務デジタル化への取り組みに前向き

「Q.受注業務デジタル化への取り組みに関して、今後の見通しをお教えください」(n=262)と質問したところ、「今すぐ取り組みたい」が24.8%、「半年後を目途に取り組みたい」が10.7%、「1年後を目途に取り組みたい」が29.8%という回答になり、全体の65%が受注業務のデジタル化に前向きな姿勢であることが分かった。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「受注業務デジタル化への今後の見通し」回答グラフ

受注業務デジタル化の障壁、約5割が「取引先の問題」と回答

「Q.貴社における受注業務デジタル化の障壁をお答えください」(n=214)と質問したところ、「取引先がWeb発注を嫌がる」が47.4%、「社内での優先度が低い」が24.3%、「販売管理システムが古く連携等に不安」が15.4%という回答になった。
外食産業の商流におけるパワーバランスにより、取引先の"現状の発注スタイルを変えたくない"という要望から、卸企業のデジタル化が進まないことが考えられる。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「受注業務デジタル化の障壁」回答グラフ

請求書業務のデジタル化に取り組みたい企業は全体の約7割

「Q.発行する請求書業務のデジタル化への取り組みに関して、今後の見通しをお教えください」(n=215)と質問したところ、「今すぐ取組みたい」が26%、「半年後を目途に取り組みたい」が9.3%、「1年後を目途に取組みたい」が30.3%という回答になり、全体の約7割が請求書業務のデジタル化に前向きであることが分かった。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「請求書業務デジタル化の見通し」回答グラフ

請求書業務デジタル化の障壁、約3割が取引先の問題

「Q.貴社における請求書業務デジタル化の障壁をお答えください」(n=215)と質問したところ、「取引先がWeb請求書を嫌がる」が31.6%、「社内での優先度が低い」が29.8%という回答になった。
受注業務デジタル化の障壁と同様に、取引先の"現状の請求書受け取りのスタイルを変えたくない"という思いから、卸企業のデジタル化が進まないことが考えられる。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「請求書業務デジタル化の障壁」回答グラフ

企業運営における最も対策が必要な課題は人材確保・育成

「Q.貴社がいま直面している課題の中で最も対策が必要な課題は何ですか」(n=235)と質問したところ、「人材の確保・育成」が37.4%、「売上の低迷」が22.6%、「顧客の獲得・維持」が22.1%という回答になった。

「BtoBプラットフォーム 受発注」受注側利用企業へのアンケート結果より「最も対策が必要な課題」回答グラフ

アンケート結果から見えてきた食品卸企業の現状と課題

今回の調査結果では、食品卸企業における受注・請求書業務の紙やFAX、電話等、アナログでのやり取りが未だ根強く残る現状が浮き彫りになった。さらに、バックオフィス業務の省力化・省人化に不可欠なデジタルツールの導入に関しても、取引先の要望や商流のパワーバランスによって、なかなか進まない現状が表面化した。

その一方で、多くの企業が企業活動の目標と掲げている「収益の増加」を達成するために、「人材確保・育成」が課題であることが分かった。
取引データの起点となる受注情報をデータで受けて基幹システムに取り込み、電子請求書の発行を行うといった一連の流れを組むことで、受注業務・請求業務の100%デジタル化が実現し、バックオフィス業務の大幅な省力化・省人化が実現する。

昨今では最も身近なスマートフォンやLINEを活用した受発注ツールもある。取引先の飲食店でも利用しやすくデジタル化の賛同を得られやすいので、検討してほしい。

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