先端テクノロジーは、飲食店に変革をもたらすか
レストランテックとは、飲食店での様々な業務をサポートするITの総称だ。近年、多くのITベンチャー企業が、外食産業の人手不足や生産性低迷などの課題解決に対して、クラウドやロボットなど、あらゆる技術で参入している。飲食店は、すべての人に馴染みがある場所であるため、最新のテクノロジーやサービスをわかりやすく見せる、ショーケースのような役割もある。
■飲食店のレストランテック利用イメージ
先行しているアメリカでは、今、レストランテックへの投資が大きな盛り上がりを見せているという。過去5年のレストランテックへの投資案件数は600件、累計投資額は25億ドル(約2,800億円)にのぼる。
■レストランテックにおける年間投資額の推移と取引件数
レストランテック領域に関わる投資を活発に行っているCoral Capitalの創業パートナーを務める澤山陽平氏は、レストランテックはあらゆる業務分野に応用されていると語る。
「一口にレストランテックといっても幅広く、業務別でみると、大きく3つに分けられます。
まず、“顧客”に関連する部分です。予約管理やモバイル決済といった、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の向上につながる技術が該当します。
もうひとつは、“店舗運営”に関わる、オペレーション領域です。発注業務や在庫管理、スタッフの採用やシフト管理といった部分になります。
さらに、“設備”は今、投資先として注目が高まっている領域です。ディープラーニングを始めとするテクノロジーが発展したことで可能なことが増えました。さらに従業員の人件費があがる一方で、ロボットの価格は下がっているため、“スマートキッチン”と呼ばれるロボットによる自動調理などの可能性も広がっています」
ここで、現在の飲食店がすでに利用しているレストランテックの一例を見てみよう。