そもそもコーヒーの「○○ウェーブ」って何だ?
“コーヒー界のApple”と呼ばれるブルーボトルコーヒーが持ち込んだ、「サードウェーブ」という新しいトレンド。直訳すれば「第3の波」となる。まずは、その歴史を遡ってみよう。
まずは、「ファーストウェーブ」。19世紀後半、アメリカでコーヒーの大量生産を目的とした焙煎機が開発され、同時期にインスタントコーヒーの発明や、真空パック技術の向上とも重って、いわゆる「アメリカンコーヒー」が、飲食店や一般家庭に広く普及した。
「ファーストウェーブ」のコーヒーは、味や香りが今ひとつだったことは否めない。そんな中、1971年にアメリカ西海岸のシアトルで「スターバックスコーヒー」が開業する。高品質な豆をエスプレッソマシンで抽出し、ミルクやフレーバーなどのアレンジを加えた「シアトル系」と呼ばれる、それまでになかったスタイルが人気を呼び、「セカンドウェーブ」を起こす。1996年には、東京・銀座に日本1号店がオープンし、日本全国へと広まった。
「コーヒーが苦手な若者の主な理由は、『苦いから』なんです。エスプレッソコーヒーに泡立てたミルクを入れたり、キャラメルフレーバーを加えたりと、甘めのコーヒーを打ち出せたことが、若い世代に支持されたのだと思います」(西野氏)
実は日本にあった「サードウェーブ」のルーツ
1990年代後半のアメリカでは、さらなる高品質なコーヒーへのニーズに応えるため、豆の生産地、ブランド、栽培履歴などを開示する店が増え始める。オレゴン州のコーヒー店「Stumptown(スタンプタウン)」やシカゴの「Intelligentsia(インテリジェンシア)」などをルーツに、全米に、そして世界中に広がっていった。