2002年、サンフランシスコで「ブルーボトルコーヒー」が創業。2015年には日本にも上陸し、シアトル系とは対極のコーヒーに、長蛇の列ができた。
「ブルーボトルの日本上陸によって、コーヒーを取り巻く状況が大きく変わったと認識されがちですが、それは少し違います。確かに『サードウェーブ』はアメリカから日本に上陸したものですが、ブルーボトルの創業者、ジェームズ・フリーマンさんは、日本の喫茶店のスタイルを目指した店をアメリカで成功させ、それをまた日本に持ち込みました。一杯ずつ丁寧にドリップしてお客様に提供する、昔ながらの喫茶店でのコーヒーの出し方を真似たわけです。青山の『大坊珈琲店』さんや、渋谷の『茶亭 羽當』さんなどがモデルになったといわれています」(西野氏)
「サードウェーブ」のルーツは日本の古きよき喫茶店にあったのだ。
知っているようで知らないコーヒーにまつわるワード
新しい波の到来やそれにまつわるワードの登場など、若い世代からも注目が寄せられているコーヒーの世界。そんな中、「サードウェーブ」に続く波「フォースウェーブ」の動きも、メディア等で散見される。
「サードウェーブコーヒーにコミュニケーションをプラスする」という、コーヒー店の接客スタイルが変化するというもの。
「高品質なドリップバッグコーヒーが増え、自宅でもコーヒーショップの味を再現したコーヒーが楽しめるようになる」というもの。
「生産者と消費者とが、ダイレクトにつながって、コーヒー豆の生い立ちも楽しみながら飲む時代がくる」というもの。
「豆に合わせて最適な設定でコーヒーを抽出してくれる、最新テクノロジーを搭載したコーヒーメーカーが普及する」というもの、など。
どれもまだメディアだけが先行し、ブームの実体を伴っていない。「フォースウェーブ」の真の到来はまだこれからと言える。しかし、幾度ものコーヒーブームの波を受け、消費者のコーヒーに対する関心が高まっていることから、こうした動きも生まれているのだろう。