本物志向が進むコーヒー事情、注目の新ワードをまとめて解説!

最新ニュース2016.09.29

本物志向が進むコーヒー事情、注目の新ワードをまとめて解説!

2016.09.29

最後に、現代のコーヒー事情を反映している用語を、いくつかおさえておこう。これらの中からも、今後フォースウェーブの芽となりうる注目ワードだ。

コールドブリュー

アメリカ・ニューヨークから広まった、水出しのアイスコーヒー。湯に比べ抽出に時間はかかるが、雑味や酸味が抑えられコーヒー本来の甘みやフルーティーな風味が感じられる。日本でも2015年夏頃から話題となり、人気を呼んでいる。

ニトロブリュー

コールドブリューの方式で抽出したものを、専用のサーバーで窒素を充填させてグラスに注ぐアメリカ発祥のアイスコーヒー。窒素によって豊かな香りが引き出され、きめ細かくクリーミーな泡でマイルドな口当たりになる。ドラフトコーヒーとも呼ばれる。

スチームパンク

アメリカのアルファ・ドミンチェ社製のコーヒー抽出マシン。使用する豆に合わせて、抽出温度・抽出時の撹拌回数・抽出量・フィルターの種類までを、専用アプリを入れたタブレット端末から、詳細にセッティングできる。サイフォンやハンドドリップなどの長所を、1杯のコーヒーの中に同時に実現できると話題だ。日本のカフェでも徐々に導入され始めており、メニューに他のコーヒーとは別枠で「スチームパンクコーヒー」として掲載され、注目を集めている。

フラットホワイト

エスプレッソにスチームミルク、フォームミルクを加えたコーヒーで、カプチーノやカフェラテよりもミルクの割合が少なめ。ミルクの層が薄く、甘さ・マイルドさも控えめな分、ひと口目からエスプレッソの味をダイレクトに感じることができる。ニュージーランドやオーストラリアでポピュラーなスタイルなので、オセアニア系ともいわれる。

デカフェ

カフェインを取り除いたコーヒー豆で淹れるコーヒー。カフェインレスとも呼ばれる。デカフェは、欧米では比較的ポピュラーな存在だが、日本ではまだ馴染みが薄い。理由の一つとして、欧米人は日本人よりもカフェインに対する耐性が無い人の割合が多いことが挙げられる。日本でも、健康志向に後押しされて注目は高まりつつある。

オーガニックコーヒー

農薬や化学肥料などを使わない自然農法で栽培されたコーヒー。世界各国の認証団体によって有機(オーガニック)認定される。農法だけでなく、豆の保管や加工工程で添加物や加工補助剤が使用されていないことなどの認定基準も設けられている。

フェアトレードコーヒー

フェアトレードとは、公平公正な取引によって、開発途上国の生産者や労働者に正当な利益を還元するための貿易システム。ただし、そのルールを規制する法律もないので、きちんと生産者までフェアトレードの恩恵が届かないなど、まだ不明瞭な点は多い。メリット・デメリットが議論されつつ、コーヒーのほか、カカオやバナナ、オーガニックコットンなどの流通でも広がりを見せている。

以上は、最近よく耳にする、コーヒーにまつわる新しい言葉たちだ。こうしてみると日本のコーヒーの飲み手たちの関心は、コーヒーの味わいだけに留まらず、その栽培方法や流通にまで注目し始めている事がわかる。

「2000年ごろに、コーヒーは日本で緑茶の消費量を越えました。ニューウェーブに乗った専門店や、コンビニコーヒーの定着など、コーヒーに触れる機会はさらに増えています。シアトル系カフェのブームによって若い世代にも受け入れられたこともあり、コーヒーを嗜好して飲む方はますます増えていくでしょう」(西野氏)

全日本コーヒー協会の統計資料によると、コーヒーの国内消費量は1996年以降ほぼ右肩上がりで増え続けている。その熱はまだまだ冷める気配がなさそうだ。

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