ヨーロッパでも親しまれる中東生まれの伝統食
クリーム色の素朴な見た目とは裏腹に、女性が熱い視線を送るフムス。健康食・美容食としての人気は高まる一方で、一般的にはまだ馴染みが薄くメジャーな存在とは言い難い。フムスとは、一体どういう食べ物なのか。
「中東地域では前菜の代表格として昔から親しまれている、ひよこ豆で作るペースト状の食べ物です。日本で同じように親しまれているものに例えると、大豆で作るお豆腐のように身近な存在で、食感からいうとポテトサラダのようなイメージでしょうか。または、塩気のあるスプレッドという感じです」
日本でフムスの注目が高まっているのは最近のことだが、熊谷さんがフムスと出会ったのは20年も前。料理留学でフランスに滞在していた頃のことだった。
「1995年にパリの料理専門学校『ル・コルドン・ブルー』へ留学し、現地のレストランで働いていたのですが、その頃から普通に食べていましたね。どこの国の料理だとか、詳しいことを知らないで(笑)。レストランだけでなく、スーパーでパックに入って売られていたり、惣菜屋さんでも、ビーツや人参のサラダと並んで量り売りされていたり。フランスでは、ごく普通に浸透していたと思います」